コスモクリーナー (オウム真理教)

コスモクリーナーの概要

コスモクリーナーは、オウム真理教の関連機関であるCSI（後の科学技術省）が作成したファン式の空気清浄機です。この名称は、長年にわたり教団の信者である麻原が大好きだったアニメ『宇宙戦艦ヤマト』に登場する放射能除去装置「コスモクリーナーD」に由来しています。麻原は自身が推進した教団の避難施策の一環として、空気清浄機の開発を進めました。

教団は外部からの毒ガス攻撃を恐れ、より安全な環境を求めました。そのため、科学技術省の設置に伴い、独自に空気清浄機の研究が行われました。最初の開発はオゾン発生器に基づいて始まり、その後、取り込んだ空気が酸性液、アルカリ性液、水、活性炭、フィルターといった要素に接触することで、毒ガスの成分に化学的な変化を起こし、無毒化する仕組みが追加されました。

最初に大規模な空気清浄機が開発された後、1995年には教団に対する強制捜査が始まる直前に、室内向けの小型空気清浄機が完成しました。これにより、教団内での空気環境を改善しようとする取り組みが見受けられました。

設置場所

コスモクリーナーは、オウム真理教の拠点となるサティアンや、関連企業が運営する「うまかろう安かろう亭」などの室内に設置されました。また、特筆すべきは、地下鉄サリン事件を実行するための謀議が行われたリムジン内にもこの装置が取り付けられていたことです。事件実行者の一部である遠藤誠一は、「コスモクリーナーが発する騒音のために、麻原の指示をしっかりと聞き取れなかった」と主張しています。これは、教団の内部での運営や情報伝達において、空気清浄機の音がどのような影響をもたらしたかを示す一例と言えるでしょう。

結論

コスモクリーナーは、その開発背景や設置場所から、オウム真理教の内部事情や時代背景を理解するための重要な要素となっています。教団の理念と行動が交錯する中、空気清浄機という一見普通の製品が、どう信仰や安全への恐れに影響を及ぼしていたのか、興味深い側面を持っています。

もう一度検索