コスラエ州

コスラエ州の概要

コスラエ州は、ミクロネシア連邦を構成する4つの州の一つであり、ヤップ州、チューク州、ポンペイ州とは異なり、コスラエ島とその属島のみで一つの州を形成しています。この州は、タフンサック、レラ、マレム、ウトエの4つの行政単位に分かれており、それぞれが独自の特色を持っています。

タフンサックには陸路でのアクセスが困難なワラン村が、レラには州都のトフォール村と、古代遺跡であるレラ遺跡が含まれています。レラ島は、現在はコーズウェイと呼ばれる道路でコスラエ島とつながっています。

島の外周には舗装された道路がありますが、これは島の約4分の3程度をカバーするのみで、ワラン村へ行くには海路を利用する必要があります。

歴史とインフラ

日本統治時代には、電気や水道、学校、病院などのインフラが整備されましたが、第二次世界大戦後のアメリカ統治下では、これらの発展が停滞しました。1998年にはデング熱が流行するなど、医療体制には課題が残ります。島内には州立病院が一つありますが、医療レベルや衛生状態には改善の余地があります。

島の中央部はジャングルが広がり、住民は主に海岸沿いに居住しています。年間を通じて気温は25〜32℃程度で、周辺の海域と比較して海水温が高く、透明度が高いことが特徴です。これにより、海中での景観は楽しめますが、大型の海洋生物を見るためのダイビングにはあまり適していないとされています。しかし、ネムリブカやスティングレイ、バラクーダの群れなどを見かけることはあります。過去にはジンベイザメが現れたという報告もあります。

宗教と文化

コスラエ州では、プロテスタント系の一派がほぼ全住民の信仰を集めており、信仰心が非常に強いです。日曜日には安息日として、海に入る行為や仕事、釣りなどが禁じられており、観光客がこれらのルールを知らずに違反すると、住民から注意を受けることがあります。また、家庭では日曜日に料理をすることが一般的ではなく、前日に作ったココナッツスープで煮込んだお粥を食べます。コスラエ人が経営する店は日曜日が休業です。

一方、オーストラリア人やアメリカ人が経営するホテルのレストランは日曜日も営業していますが、ビールなどのアルコール飲料は購入できません。

住民は日曜日に教会に集まり礼拝を行い、賛美歌を通じて合唱文化が育まれています。知らない歌でもすぐに合唱に参加する姿が見られます。クリスマスには各教会でマーチが行われ、日本統治時代の「隣組」に相当するグループに分かれて競い合います。

宗教上の地位が社会的な地位よりも重視されることもあり、「酒を飲まない・たばこを吸わない」という宗派の戒律が、指導者の条件とされています。

言語と民族

コスラエ州では、英語とコスラエ語が用いられています。高齢者の中には、流暢な日本語を話す人もいますが、その数は減少傾向にあります。太平洋戦争後、アメリカ合衆国の統治下に入り、高校での授業は英語で行うことが原則とされていますが、実際には生活言語であるコスラエ語が使用されることが多いです。

その他の情報

コスラエ国際空港が島の空の玄関口となっています。また、コスラエ・ツアー・カンパニーは日本語での情報提供を行っており、コスラエの観光情報を入手するのに役立ちます。さらに、「コスラエ太郎の南国移住記」というコラムが連載されており、コスラエでの生活に関する興味深い情報を知ることができます。

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