コチョウゲンボウ

コチョウゲンボウ（小長元坊、Falco columbarius）

コチョウゲンボウは、ハヤブサ目に属する小型の鳥で、北アメリカやユーラシアの北部で繁殖します。冬季になると、アフリカ北部、インド、中国東南部、そして北アメリカの中部から南部、西インド諸島へと渡り越冬します。日本には冬鳥として現れ、北海道から九州までの地域で見られますが、その数は多くありません。特に南西諸島での観察は少ないです。

形態

コチョウゲンボウの体長はオスで約27cm、メスで約31cmです。特徴的な黒い斑紋は不明瞭で、これが鼻の部分にあります。オスの羽は鮮やかな青灰色で、頭頂部や背面、翼の上面にこの色が見られます。一方、頚部は橙褐色で、褐色の縦斑があります。メスは灰褐色の上面に黄褐色の斑点を持ち、頚部および腹面は黄白色で、そこに黒い太い縦斑があります。

生態

この鳥は海岸、草原、農耕地、丘陵地など、多様な環境で生活しています。食事は主に動物性で、小型の鳥や小型哺乳類、昆虫を食べます。特に、小型鳥類が主な食料で、飛翔中の獲物を迅速に追いかけ捕らえます。更には、ハヤブサのように獲物の背後に回り込み、蹴落とす行動も見られます。

繁殖の際は、地上に木の枝などを利用して皿状の巣を作ります。森林地帯では、カラス類の古巣を利用することが多くあります。繁殖に関しては卵生で、5月から6月にかけて平均で4つの卵を産みます。卵の抱卵は主にメスが行われ、オスもそのサポートをします。

越冬時には、数羽から十数羽の小さな群れを作り、ねぐらを共にして休む習性があります。

コチョウゲンボウは、その生息場所や繁殖形態、小さな動物を食べる独特の生態から日本においても興味深い存在です。その優れた飛行能力や獲物を捕まえる技術は、多くの自然愛好者やバードウォッチャーの注目を集めています。特に、彼らの渡来の季節には、多くの人々がその姿を確認しようと訪れます。繁殖の仕組みや越冬地での行動は、研究者にとっても重要な研究テーマとなっているのです。

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