コッヘル

コッヘルとは

コッヘルとは、主にキャンプや登山などのアウトドア活動で使用される携帯用の小型調理器具です。ドイツ語の「Kocher（調理するもの、調理器具）」が語源で、コッヒェル、コッフェルとも呼ばれますが、現代ドイツ語の発音に近い表記はコッハーです。英語の「Cooker（クッカー）」とほぼ同義で、少人数での調理を想定して設計されています。

概要

コッヘルの容量は一般的に600ccから2,000cc程度で、円筒形をしており、折りたたみ式の取っ手が付いているものが主流です。異なる大きさのコッヘルを重ねて収納できるようスタッキングできるものが多く、携帯性が重視されています。素材は主にステンレス鋼、アルミニウム、チタンが使用されます。

形状

丸型

最も一般的な形状で、豊富なサイズや形式から選べます。蓋はフライパンやお皿としても使えるものが多く、密閉度を高めるために重石を載せて使用することもあります。細長い深胴のものはポットとして、浅胴のものは調理や食器として便利です。ポータブルストーブ用のガスボンベに合わせた口径を持つものも多くあります。

角型

インスタントラーメンを調理しやすいように四角い形状をしたコッヘルもあります。パッキングしやすい、注ぎやすいという利点がある一方で、熱が均一に回りにくい、角が汚れやすいという欠点があります。

材質

コッヘルは軽量化のために薄く作られているため、空焚きは厳禁です。

ステンレス鋼

耐久性が高い一方で、熱伝導率が低く焦げ付きやすいという欠点があります。重量もあるため、軽量化を重視する場面では避けられる傾向にあります。酸に弱いため、酸性の液体を入れっぱなしにすることは避けるべきです。

アルミニウム

熱伝導率が高く、焦げ付きにくいため炊飯に適しています。安価で軽量なため最も一般的な素材ですが、表面加工が剥がれると錆びやすいので注意が必要です。

チタン

軽量で丈夫ですが、高価で熱伝導率が低いため調理に時間がかかるという短所があります。ハンドル部分が熱くなりにくく、そのまま口をつけても火傷しにくいという利点もあります。

新時代のコッヘル

近年では、燃費効率を高めるために専用のストーブとの併用を前提とした新しいタイプのコッヘルが登場しています。底面に風防を兼ねた蓄熱用金属板を配したものが多く、強風下でも効率よく調理できます。

脚注

注釈

出典

参考文献

今井泰博、西原彰一著『山の道具Q&A』山と溪谷社 ISBN 4-635-04067-4

関連項目

アウトドア
キャンプ
登山
ポータブルストーブ
トランギア
鍋
スキレット
ダッチオーブン
飯盒

外部リンク

トランギア
ジェットボイル
* ユニフレーム

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