コバイケイソウ

コバイケイソウ（小梅蕙草、学名：Veratrum stamineum）は、シュロソウ科シュロソウ属に分類される多年草です。以前はユリ科に分類されていましたが、APG植物分類体系により、現在はシュロソウ科（メランチウム科）に分類されています。

特徴

コバイケイソウは、山地の草本の中では大型で、高さは1メートルほどに成長します。葉は光沢があり、硬く、葉脈がはっきりとした長楕円形をしており、茎に互生します。6月から8月にかけて、茎の先に白い花を咲かせます。花は穂状につき、先端部には両性花が、横に伸びる部分には雄花がつきます。しばしば群生し、初夏の山を彩る代表的な花の一つです。

有毒植物

コバイケイソウは、全草にプロトベラトリンなどのアルカロイド系の毒成分を含んでいます。誤って摂取すると、嘔吐や痙攣を引き起こし、血管拡張による血圧低下を経て、重篤な場合には死に至る危険性があります。特に、若芽は山菜のオオバギボウシやノカンゾウの若芽と似ているため、誤食による食中毒が毎年のように発生しており、注意が必要です。

名前の由来

コバイケイソウの名前は、その花が梅の花に似ており、葉が蕙蘭（ケイラン）に似ていることに由来します。

分布と生育環境

コバイケイソウは、日本の本州中部地方以北から北海道にかけて分布しています。山地から亜高山の草地や、湿地のような比較的湿気の多い場所に生育します。

ギャラリー

[コバイケイソウの画像1]
[コバイケイソウの画像2]
[コバイケイソウの画像3]
[コバイケイソウの画像4]
[コバイケイソウの画像5]

コバイケイソウ