コミカル&セクシー プロレスリングWAVE

コミカル&セクシー プロレスリングWAVE

「コミカル&セクシー プロレスリングWAVE」は、CS放送チャンネルであるV☆パラダイスで2011年5月6日から2019年3月27日までの約8年間にわたり放送されたプロレス番組です。この番組は、女子プロレス団体プロレスリングWAVEの魅力を伝えるための冠番組として制作されました。

放送開始の背景と独自性

番組が放送されたV☆パラダイスは、本来はオリジナルビデオを中心に扱うチャンネルです。しかし、WAVEのプロデューサーであるGAMI氏は、「プロレスをスポーツ番組として放送するのは一般的すぎる。あえて異なるジャンルのチャンネルで」という独自の意図を持っていました。一方、V☆パラダイスの営業・編成を統括する高津戸顕氏は、Vシネマの世界とプロレスには深いつながりがあり、過去に著名なプロレスラーがVシネマに多数出演していたという点に着目。さらに、高津戸氏自身が熱心なプロレスファンであったこともあり、番組のプロデューサーとして関わるだけでなく、WAVEのビッグマッチではリング上で「タイトルマッチ宣言」を読み上げるほどでした。このように、団体側の意欲とチャンネル側のプロレスへの理解・熱意が結びつき、異色の放送局でのレギュラー番組が実現したのです。

番組内容と放送形態の進化

番組では、プロレスリングWAVEが開催した過去の大会から厳選された試合映像を中心に放送しました。しかし、単なる試合中継に留まらず、所属選手たちの個性やリング外での素顔に迫るインタビュー、さらには団体や選手たちの活動の裏側を映し出すドキュメンタリーなども積極的に制作・放送され、団体の掲げる「コミカル&セクシー」な世界観を多角的に紹介しました。

放送開始当初の2011年5月から2012年9月にかけては、月に1回の放送でしたが、2012年10月からは毎週放送へと移行しました。この変更は、団体のメディア露出において大きな転換点となります。GAMI氏は当時、プロレス界の主要団体である新日本プロレスや全日本プロレス（当時のテレビ放送状況に言及しつつ）に続いて、WAVEが毎週テレビで見られる団体になったことを強調し、団体のプレゼンス向上をアピールしました。女子プロレスにおいて、毎週レギュラー放送が行われるのは、2009年以来の出来事であり、業界内でも注目されました。ただし、毎週放送化に伴い、それまでFIGHTING TV サムライで放送されていた後楽園ホール大会などのビッグマッチ単独中継は打ち切りとなりました（「速報!バトル☆メン」など、情報番組内での取り扱いはしばらく続きましたが、後にこちらも終了）。

配信・他の放送媒体への展開

番組はテレビ放送だけでなく、新たなメディアでの展開も試みました。2013年2月5日からは、動画配信サービスのGYAO!でのインターネット配信が開始され、テレビ放送を見られない視聴者にもアクセスが開かれました。さらに、2013年10月13日からは、大阪市西部や兵庫県東部の一部地域を放送エリアとするケーブルテレビ局、ベイ・コミュニケーションズのコミュニティチャンネルでも放送が始まり、視聴層の拡大が図られました。

放送時間と制作陣

放送時間は、放送頻度の変更に伴い変遷しました。

月1放送期（2011年5月 - 2012年9月）: 毎月第1金曜日 20:00 - 21:00（60分）
毎週放送期 前半（2012年10月 - 2014年3月）: 毎週水曜日 23:00 - 23:30（30分）
毎週放送期 後半（2014年4月 - 2019年3月）: 毎週水曜日 22:00 - 22:30（30分）

いずれの期間も再放送が行われていました。

番組の制作陣は、WAVEの大会会場での実況やDVDの制作にも携わるメンバーが中心でした。

ナレーター：吉野希里（HaLe BaLe、WAVEリングアナウンサー）
解説：GAMI（ZABUN代表取締役）
ゲスト解説：主にZABUNグループ所属のWAVE参戦選手
実況：泉井弘之介（RINGSTARS編集長）
プロデューサー：高津戸顕

番組のオープニングテーマ「Keep On」とエンディングテーマ「ツヅクミチ」は、いずれもナレーターの吉野希里が所属するユニットHaLe BaLeが担当し、番組の雰囲気を盛り上げました。

番組の終焉

約8年間の歴史を刻んだ「コミカル&セクシー プロレスリングWAVE」は、2019年3月27日の放送をもって終了しました。後番組としては、旧全日本女子プロレスなどで活躍したレジェンド女子レスラーに焦点を当てたドキュメンタリー番組『女子プロレス伝説 超嬢血戦』がスタートしました。

この番組は、女子プロレス団体プロレスリングWAVEの魅力をCS放送という媒体を通じて長期にわたり伝え続け、その独自のスタンスと放送形態の進化、多角的な配信展開は、女子プロレス界におけるテレビ番組の可能性を示す事例の一つとなりました。

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