コミックシティ

コミックシティ（Comic City）とは

コミックシティは、株式会社ケイ・コーポレーション（赤ブーブー通信社）が主催する同人誌即売会です。かつては複数の同人誌印刷所との共催でしたが、現在は同社が単独で運営しています。

「本を創る。本を売る。本を買う。」をテーマに、同人誌の流通と交流を促進することを目的としており、東京、大阪、福岡を中心に年間20回程度開催されています。特に大阪と福岡では最大規模の同人誌即売会として知られています。

イベントの特徴

オールジャンルとオンリーイベント: 基本的にはオールジャンルですが、近年は特定のテーマや作品に特化したオンリーイベントやプチオンリーも積極的に開催されています。これにより、多種多様な同人誌が集まる場となっています。
女性向け作品の多さ: 東京と大阪のコミックシティでは、女性向け作品を扱うサークルが参加者の大半を占めています。これは過去の出来事が影響しています（後述）。
大規模開催: 募集スペース数が13,000〜20,000に達することもあり、1日あたりのスペース数ではコミックマーケットを超える大規模なイベントとなります。
参加者への配慮: 未就学児童の入場禁止、徹夜行為の禁止、午前7時以前の来場禁止など、参加者への注意事項が公式サイトに掲載されており、安全なイベント運営が心掛けられています。

一般参加について

一般参加者は入場券を購入する必要があります。入場券の事前販売は行われておらず、会場でのみ購入可能です。また、パンフレットは別途販売されていますが、購入は必須ではありません。

サークル参加について

コミックシティのサークル参加は、抽選制ではなく先着順で受付が行われます。参加条件は高校生以上の個人であり、サークルの代表者は日本国内に居住している必要があります。配置は、BL、男女カップリング・百合、オールキャラ・キャラ中心に分類され、カップリング作品は受けキャラクターを基準に配置されます。

コスプレ参加について

2015年頃からサークル参加者向けにコスプレが開放され、その後一般参加者にも広がりました。更衣室利用券は、サークル参加者向けにはローソンチケット、一般参加者向けにはイープラスで事前販売されています。新型コロナウイルス感染症対策により一時販売を中止していましたが、現在は再開しています。

各開催地の状況

東京

東京ビッグサイト（東京国際展示場）で年6回程度開催されます。
特に「HARU COMIC CITY」「SUPER COMIC CITY」「COMIC CITY SPARK」は大規模な開催となります。
「SUPER COMIC CITY」はゴールデンウィーク中に開催され、コミックマーケットに次ぐ規模です。
「HARU COMIC CITY」は3月（春分の日前後）に開催され、春コミという略称も使われます。
「COMIC CITY SPARK」は秋（10月頃）に開催され、過去には2万スペースを超える規模を記録しています。

大阪

インテックス大阪で年6回程度開催されます。
1月開催の「COMIC CITY大阪」と「SUPER COMIC CITY関西」は、コミックマーケット直後に開催され、関西地区の同人誌ファンにとって重要なイベントとなっています。

福岡

福岡PayPayドームやマリンメッセ福岡で年3回（1月、5月、9月）程度開催されます。
九州最大の同人誌即売会であり、男性向けサークルの参加が多いのが特徴です。
コスプレ参加が可能な点も、他地区との違いです。

FES

東京・大阪で不定期に開催されるジャンル特化型イベントです。
七夕やジューンブライドなど、記念日に合わせて開催されることもあります。

オンリーイベント

作品オンリー：各イベントで、特定の作品に特化したオンリーイベントが開催されます。
arteVarie：一次創作の雑貨オンリーとして、各イベントに併設されます。
そうさく畑：関西地区で開催される創作ジャンルオンリーの即売会です。
ZRシリーズ（全国大会）：特定の作品をテーマにしたオンリーイベントで、コミックシティと併催されることもあります。
擬人化王国：ZRシリーズのうち、擬人化作品に特化したオンリーイベントです。

プチオンリー

コミックシティやFES内で開催されるイベント内イベントです。
カップリングやキャラクターに特化したオンリーとして、有志や運営によって開催されます。

その他のイベント

エアブー

赤ブーブー通信社が運営するWebオンリーイベントです。

こみっくトレジャー

男性向けオールジャンル同人誌即売会で、コミックシティとは別の主催名義（青ブーブー通信社）で開催されます。

歴史

コミックシティは、複数の同人誌印刷所による共催を経て、1988年より赤ブーブー通信社と東京文芸出版が共同または単独で主催しました。1995年のSUPER COMIC CITY4以降は、赤ブーブー通信社単独での開催となっています。

過去の出来事

幕張コミックシティ中止事件

1994年、千葉県の青少年保護条例を理由に、幕張メッセでの開催が直前で中止となりました。この事件は、男性向け（成人向け）同人誌を扱うサークルに大きな影響を与え、現在のコミックシティが女性向け中心のイベントとなる遠因となりました。

SUPER COMIC CITY4での逮捕事件

1995年、SUPER COMIC CITY4でオウム真理教関連のチラシを配布しようとした人物が銃刀法違反で逮捕されました。この事件は、地下鉄サリン事件直後ということもあり、大きな騒動となりました。

東日本大震災の影響

2011年3月に開催予定だったHARU COMIC CITY16は、東日本大震災の影響で中止となりました。

黒子のバスケ参加制限

「黒子のバスケ」の関係者に対する脅迫事件の影響で、一時的に黒子のバスケ関連のサークル参加や頒布が制限されましたが、後に解除されました。

2020年の中止と延期

2020年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催や新型コロナウイルス感染症の影響で、開催会場の変更や中止が相次ぎました。

外部リンク

赤ブーブー通信社公式ウェブサイト
青ブーブー通信社公式ウェブサイト - 「こみっくトレジャー」を開催
有限会社ケイ・コーポレーション - 運営会社のサイト
* ツイッターアカウント - 赤ブーブー通信社の公式ツイッターアカウント

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