コミックマーケットのジャンルコード

コミックマーケットのジャンルコードについて

コミックマーケット（以下、コミケ）では、参加サークルの頒布物をジャンルごとに分類する「ジャンルコード」というシステムを採用しています。これは、事務処理の効率化を図るとともに、サークルの出展位置や開催日を決定する重要な要素です。ジャンルの設定や分類は、その時々のサブカルチャーの流行を反映し、コミケの歴史を語る上で欠かせない要素となっています。

ジャンル設定の原則

ジャンルは、主に二次創作を行うサークル（ファンサークル）の場合、原作となる作品ごとに分類されます。例えば、漫画であれば掲載誌ごとに少年[[漫画]]、少女[[漫画]]、青年漫画に分けられ、さらに人気作品は個別のジャンルが設けられることもあります。また、アニメが原作の小説や漫画、ゲームなどのメディアミックス作品は、ジャンルが異なっても原則として同じカテゴリーに分類されます。

ただし、ジャンルの区分は厳格に固定されているわけではなく、申込サークルの傾向や参加者アンケートの結果などを基に、毎年細かく変更や調整が行われます。過去には、パチンコ・パチスロが「スポーツ」ジャンルから「ゲーム（その他）」に変更された例もあります。このように、ジャンルは常に変化し続けており、その変遷を追うことで、当時の流行や参加者の興味の変化を読み取ることができます。

ジャンルの配置とイベントの特色

ジャンルごとに開催日やホール内の配置は、参加者の層が似通っていると思われるジャンルが同じ日にまとめられ、近くに配置される傾向があります。しかし、混雑を避けるために異なるジャンルが隣接したり、特定のイベントに配慮した配置になることもあります。コミケでは、参加者が幅広いジャンルに触れることが推奨されており、様々なジャンルを巡るのも醍醐味の一つです。

以前は存在した「よろず」ジャンルは、現在では廃止されています。しかし、一部の大手サークルは、列整理の都合上、本来のジャンルとは異なる場所に配置されることがあり、その場合は「ノンジャンル」として案内されることがあります。

複数のジャンルでの参加

サークルによっては、活動内容に応じて複数のジャンルを選択できる場合があります。例えば、学校の部活動のサークルであっても、創作漫画を頒布する場合は「創作（少年）」ジャンルで申し込むことも可能です。比較的マイナーなジャンルの場合、複数のジャンルに分散してサークルが配置されることも珍しくありません。

ジャンルコード一覧

以下に主なジャンルコードの一覧を記載します。ただし、ジャンルコードは毎回変更や統廃合が行われるため、参加する際には必ず最新の情報を確認するようにしてください。

マンガ

創作（少年）: オリジナル作品で少年[[漫画]]風のもの。青年漫画風も含む。
創作（少女）: オリジナル作品で少女[[漫画]]風のもの。女性[[漫画]]風も含む。
創作（JUNE/BL）: オリジナル作品でやおいを題材としたもの。男性向けゲイコミックも含む。
学漫: 学校の漫画研究会などの部活・サークルによる発行物。
評論・情報: 幅広い分野を内包するジャンル。アニメ・ゲーム・特撮に関する評論は、それぞれのジャンルで申し込む必要あり。
FC（少年）: 少年[[漫画]]家・作品のファンクラブ、及び二次創作。手塚治虫、石ノ森章太郎、高橋留美子、皆川亮二の作品もこちらに分類。
FC（少女・青年）: 少女[[漫画]]家・作品、青年漫画家・作品のファンクラブ及び、二次創作。
FC（ジャンプその他）: 単独コードがある作品を除いた、ジャンプ系少年誌・青年誌の作品。ジャンプ以外では『コミックバンチ』掲載作も含まれる。

ゲーム

同人ソフト: オリジナル・二次創作問わず、ソフトウェア、ハードウェアでの頒布。
東方Project: 東方Projectに関するあらゆる創作物を扱う。
デジタル（その他）: ビデオ・CD・レコードなどの媒体頒布、VOCALOID、ネットコンテンツ、動画配信者に関するもの。
コスプレ: コスプレ写真集や衣装・アクセサリー。
VTuber: VTuberに関するファン活動など。
ギャルゲー: エロゲーも含む。
TYPE-MOON: 『月姫』などのTYPE-MOON作品。
アイドルマスター: 『SideM』など関連作品含む
ラブライブ!: 関連作品含む。
ゲーム（その他）: パチンコ、パチスロなど。
[ゲーム]: カード[[ゲーム]]、テーブルトークRPGなど。
[ゲーム]: MMORPG、ソーシャルゲーム、ブラウザゲーム。
艦これ: 艦これに関する創作物を扱う。
アズールレーン: アズールレーンに関する創作物を扱う。
ウマ娘: ウマ娘に関する創作物を扱う。性的描写は禁止。
ブルーアーカイブ: ブルーアーカイブに関する創作物を扱う。
スクウェア・エニックス（RPG）: 『ドラゴンクエストシリーズ』、『ファイナル[[ファンタジーシリーズ]]』など。
[ゲーム]: 乙女ゲーム、女性向けソーシャルゲームなど。
刀剣乱舞: 刀剣乱舞に関する創作物を扱う。

男性向

男性向創作: 成人男性を主たる頒布対象とし、性描写に重きを置く頒布。
創作（男性向）: オリジナルの成人向け[[漫画]]。
アニメ（男性向）: アニメの二次創作で成人向けのもの。
ゲーム（男性向）: ゲームの二次創作で成人向けのもの。

アニメ

アニメ（その他）: 声優のファンサークル、『ポケットモンスター』関連作品も含む。
アニメ（少女）: 少女向けアニメ、アニメが初出の魔法少女作品。
アニメ(サンライズ): サンライズ作品、スーパーロボット大戦関連作品。

小説

FC（小説）: ライトノベルを題材とした二次創作、池井戸潤・有川浩などの小説作品、文学作品も含む。

その他

歴史・創作（文芸・小説）: 歴史、オリジナル小説など。
特撮・SF・ファンタジー: アメコミも含む。
鉄道・旅行・メカミリ: 鉄道、模型、写真、痛車、モータースポーツ、聖地巡礼など。
音楽（洋楽・邦楽・男性アイドル）: 自主制作CD、ジャニーズ事務所所属タレント関連。
TV・映画・芸能・特撮: ミュージカル、アイドル、歌舞伎、ご当地武将隊、ご当地キャラなど。
オリジナル雑貨: ドール、服飾、アクセサリー。
その他: 上記に該当しないもの。

ジャンルコードの変遷

コミケのジャンルコードは、コミケの歴史とともに変化してきました。初期は、創作、FC、パロディ、マイコンなどが主なジャンルでしたが、徐々に細分化され、作品ごとのジャンルが設けられるようになりました。1990年代以降は、ゲームやアニメのジャンルが拡充され、2000年代にはオンライン[[ゲーム]]やソーシャルゲームのジャンルが登場しました。近年では、VTuberやウマ娘など、新たなサブカルチャーの隆盛に合わせてジャンルが新設されるなど、時代を反映した変化を続けています。

まとめ

コミケのジャンルコードは、単なる分類システムではなく、サブカルチャーの歴史を映す鏡のような存在です。ジャンルコードの変遷を追うことで、コミケの参加者や作品の流行の変化を知ることができます。コミケに参加する際には、ぜひジャンルコードの歴史にも注目してみてください。

参考文献
コミックマーケット準備会 編「ジャンルコード その遍歴にみるコミケの流れ」『コミックマーケット30'sファイル』（新装初版）青林工藝舎、2005年7月、383―389頁頁。
コミックマーケット準備会 編「ジャンルコード変遷」『コミケット20's［コミックマーケット20's周年記念資料集］』（私家版（赤表紙））コミックマーケット準備会、1996年3月、巻末別表頁。

関連リンク
[コミックマーケット]]公式サイト：[https://www.comiket.co.jp/
[コミックマーケット]]96ジャンルコード一覧：[https://www.comiket.co.jp/info-a/C96/C96genre.html (開催回数を変更することで過去のものが参照可能です)
配置担当者より一言（バックナンバー）： https://www.comiket.co.jp/info-a/taisakuyo/

注記
ジャンルコードは常に変化しています。参加する際は、必ず最新の情報を確認してください。
* 本記事は、2023年11月までの情報を基に作成されています。

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