コミット (データ管理)

コミットとは

コミット（commit）は、計算機科学およびデータ管理において、一連のデータ変更を確定し、トランザクションを完了させる操作です。これは、一時的な変更を永続的なものにする行為であり、データベースやバージョン管理システムにおいて重要な役割を果たします。

データ管理におけるコミット

データベース管理システム（RDBMS）では、SQLの`COMMIT`ステートメントを使用してトランザクションを終了し、それまでのデータ変更を他のユーザーに反映させます。一般的なトランザクションの流れは以下の通りです。

1. `BEGIN WORK`ステートメントでトランザクションを開始します。
2. 一つ以上のSQLステートメント（データの挿入、更新、削除など）を実行します。
3. `COMMIT`ステートメントを発行して、これらの変更を確定します。

トランザクション中に問題が発生した場合、`ROLLBACK`ステートメントを使用することで、`BEGIN WORK`以降のすべての変更を破棄し、トランザクション開始前の状態に戻すことができます。`COMMIT`ステートメントは、トランザクションで使用されていたセーブポイントも解除します。

コミットとロールバック

トランザクションにおけるコミットの対義語はロールバックです。ロールバックは、トランザクション中に加えられた一時的な変更を破棄し、データベースの状態をトランザクション開始前の状態に戻します。

コミットの種類

コミットにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

アトミックコミット: トランザクションのすべての変更が完全に適用されるか、全く適用されないかを保証するコミットです。中途半端な状態になることを防ぎ、データの整合性を保つために重要です。
2相コミット: 分散システムにおいて、複数のノードにまたがるトランザクションを安全にコミットするためのプロトコルです。すべてのノードがコミットを完了するか、ロールバックするかを協調して決定します。
3相コミット: 2相コミットの欠点を克服するために提案されたプロトコルで、より高い耐障害性を提供します。

コミットログ

コミットの操作は、通常、コミットログに記録されます。このログは、システムの障害発生時にトランザクションの履歴を追跡し、データベースの復旧を行うために使用されます。コミットログは、データの一貫性と信頼性を保証する上で重要な役割を果たします。

バージョン管理におけるコミット

バージョン管理システム（例：Git）におけるコミットは、変更履歴を記録するための基本的な単位です。コミットには、変更されたファイルの内容と、その変更に関する説明（コミットメッセージ）が含まれます。バージョン管理システムでのコミットは、開発者がコードの変更を共有したり、過去のバージョンに戻したりするために不可欠です。

まとめ

コミットは、データ管理とバージョン管理の両方において、重要な操作です。データの変更を確定し、トランザクションを完了させることで、システム全体の整合性を保ちます。データベースシステムではデータの永続化を、バージョン管理システムでは変更履歴の記録を担っています。コミットを正しく理解し活用することは、安定したシステム運用や効率的な開発を行う上で不可欠です。

関連項目

コミット (バージョン管理)
アトミックコミット
2相コミット
* 3相コミット

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