コミュニティ・ストア

コミュニティ・ストアの概要

コミュニティ・ストアは、かつて東京都を拠点にしていた日本のコンビニエンスストアチェーンです。国分グループ本社の事業会社である国分グローサーズチェーン株式会社によって運営されていました。この企業は1978年に設立され、コンビニの形態を取り入れる新しい業態として注目を浴びました。

歴史と背景

国分グローサーズチェーンの前身は、国分株式会社が酒販店の支援を目的に組織したボランタリー・チェーンです。このため、初期の加盟店の多くは酒販店からの業態転換が行われ、顧客基盤を持つ店舗が多数存在しました。特に、2004年には他のチェーンよりも客層の年齢が高いという特徴がありました。1999年からはデリバリーサービスを開始しましたが、これは酒販店時代の人脈を活かしたものでした。

1994年には法人として正式に設立されると、経営は拡大し、特に関東や東海、関西地域に店舗を展開しました。しかし、競争の激化とともに経営環境は次第に厳しくなり、酒類販売の規制緩和も影響を及ぼしました。2021年には全事業から撤退することが決定され、11月末までに全店舗が閉店しました。公式ウェブサイトも同日をもって閉鎖されました。2022年4月には会社清算が完了し、法人格が消滅しました。

ビジネスモデルと特徴

コミュニティ・ストアでは、ボランタリー・チェーンとフランチャイズの利点を融合させた「ニューコンビニエンスシステム」を採用していました。このモデルにより、加盟店は本部に売上の全額を送金する必要がなく、仕入代金やロイヤルティのみを支払う仕組みが特徴でした。このため、加盟店にとっては固定コストを抑えやすい利点がありました。ただし、各店舗の店舗運営は本部によって厳格に統制されていました。

営業時間についても大手チェーンとは異なり、多くの店舗が時短営業や定休日を設定していました。また、ユニフォームに関しても、一般的なシャツ型ではなく、私服での運営を許可するなど、独自性が見られました。

店舗とサービス

コミュニティ・ストアは、主に関東を中心に337店舗を展開していましたが、その多くは東京都内に集中していました。店舗形態は、路面店と施設内の売店がありました。また、他の大手チェーンと同様に、公共料金の支払い代行やコピー・FAXサービスなどを提供していました。

事業撤退後の影響

2021年の事業撤退に際し、北海道への店舗展開も含む多くの店舗が閉鎖され、残った店舗の一部は個人経営の酒屋などに転換されました。特に北海道での撤退後、一部の加盟店はそのまま「コミュニティ・ストア」を名乗る店舗も存在しました。

まとめ

コミュニティ・ストアは、国分グループが手掛けたユニークなコンビニエンスストアであり、その運営形態やまたその撤退の過程は、業界の変遷を知る上で興味深い事例と言えるでしょう。飲食や小売業界における競争が激化する中で、どのように生き残るかというテーマは今後も注目の課題です。

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