コミンテルン極東局

コミンテルン極東局について

コミンテルン極東局、またはコミンテルン執行委員会極東局は、ソビエト連邦の共産主義運動において重要な役割を果たしていた機関です。この局は、1930年に上海に設立され、中国共産党、およびその他の東アジアの共産主義運動を支援するための支局でした。名前の変遷として、東洋書記局や東洋局とも呼ばれています。

極東局の初代代表には、モスクワの中山大学校長を務めていたパーベル・ミフが就任しました。ミフは、当局内部で重要な決定を下し、さらには政治テーゼの草案作成にも関与していました。彼の周囲には、ゲオルギー・サファロフ、ラジョス・マジャール、ヤー・ウォルグといった政治家もいました。特にサファロフは、1931年に作成された政治テーゼの草案に大きく関与したことで知られています。

コミンテルン極東局は、中国共産党の中でも「ミフ派」として知られるグループの中心でした。この派閥には、陳紹禹（王明）や沈澤民といった重要な人物が名を連ねていました。ミフ派は、李立三コースに反対する立場を取っており、李立三が失脚した後には、中国共産党の幹部としての地位を確立しました。しかし、その後リーダーシップを受けた李立三に影響を受けた党員との間には深刻な対立が生じました。

1931年2月、反ミフ派は党から除名され、同年6月には、イギリスによる「ヌーラン事件」が発生しました。この事件で、プロフィンテルンのアジア太平洋支部の事務局書記であったイレール・ヌーランが逮捕されました。これにより、中国国内では国民党が反ミフ派を逮捕し、結果的に中国共産党の中央組織はミフ派の影響下に置かれることとなりました。

また、コミンテルンと中国共産党の間での金銭の取引は主に上海で行われ、特にドイツ商の禪臣洋行がその受け渡し機関として利用されていたことが知られています。経済的サポートは、コミンテルンの方針進展に寄与し、共産主義運動が強化される要因ともなりました。

このように、コミンテルン極東局は中国における共産主義の発展に深く関与し、その後の政治的状況や党内の権力闘争にも大きな影響を与えました。

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