王明

王明の生涯と政治的キャリア

王明（おう めい、1904年4月9日 - 1974年3月27日）は、中華民国における著名な政治家であり、中国共産党において一時期非常に重要な役割を果たしました。彼の本名は陳紹禹（ちん しょうう）であり、政治の舞台においては党内の最高指導者となるまでの激しい権力闘争を経験しました。

初期の活動

王明は武昌大学に在学中に青年共産同盟に加入し、その後、1925年に中国共産党に入党しました。彼はモスクワ中山大学に留学し、そこで中国共産党のモスクワ支部を率いることになります。この頃、彼は蔣介石の息子、蔣経国に対して非常に攻撃的な姿勢を崩さず、蔣経国を貧しい農村やアルタイ金鉱、ウラル重機械工場で働かせることに成功しました。さらに、王明は蔣経国に共産党を支持する内容の手紙を書くよう強要しようとしましたが、ソ連当局の判断によりこの試みは失敗しました。

政治的台頭

1930年に帰国した王明は、当時の最高指導者であった李立三を厳しく批判し、その結果、党内での権力を掌握しました。1931年にはソ連からコミンテルンの中国代表に任命されましたが、1935年には遵義会議を契機に毛沢東にその主導権を奪われます。1942年からの整風運動により、彼の影響力はほぼ完全に失われることになりました。

権力奪還の試み

1943年、王明は権力の奪回を目指し、毛沢東を抑え込むために密かにソ連行きを計画しました。しかし、コミンテルンが1945年に解散したため、彼の計画は頓挫しました。1945年には中国共産党第七回大会で中央委員に選出されるものの、その地位は下から二番目であり、主導的な立場には戻れませんでした。

中華人民共和国と亡命

中華人民共和国が成立した後、王明は政務院政治法律委員会の主任として数々の法律の制定に寄与しました。しかし、1956年に「病気治療」を理由にソ連に出国し、その後、中ソ対立の進展にもかかわらず帰国することはありませんでした。結果的に、1969年の中国共産党九回大会で中央委員を罷免され、事実上亡命することとなりました。彼はモスクワで1974年に亡くなるまでの間、政治活動から遠ざかることとなったのです。

まとめ

王明の生涯は、中国共産党内の権力闘争と政治的動乱の象徴的なものであり、彼の政治的活動は深い影響を与えました。彼の名前は、共産党の歴史の中で今なお忘れられない存在です。

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