コメガヤ

コメガヤ (Melica nutans)

コメガヤは、東アジアからヨーロッパにかけての温帯地域に広く分布するイネ科の多年草です。学名は Melica nutans と表記します。和名は、その小穂の形が米粒に似ていることに由来しています。

特徴

コメガヤは、山地の林内や草原といった比較的湿り気のある場所に生育します。草丈は15cmから50cm程度で、他の草に紛れて生えていることも多いため、注意深く観察する必要があります。

葉: 葉は長さ5cmから15cm、幅は2mmから5mm程度です。葉の表面は滑らかで、緑色をしています。葉鞘（葉の付け根部分）には4つの稜があり、赤紫色を帯びることがあります。この赤紫色は、コメガヤを識別する際の重要なポイントとなります。
花期: 花期は8月から9月にかけてで、茎の先端から円錐花序を伸ばします。円錐花序は長さ8cmから15cm程度で、数個から15個ほどの小穂をつけます。
* 小穂: 小穂は長さ6mmから8mm程度で、白緑色で光沢があり、一部が赤紫色を帯びています。この独特の色合いが、コメガヤの美しさを際立たせています。小穂は、退化した小花と、革質で厚い護穎（小花の基部を包む苞）と内穎（護穎の内側にある苞）からなる完全な小花2個から構成されています。

分布と生育環境

コメガヤは、日本を含む東アジアからヨーロッパにかけての広い範囲に分布しています。日本では、本州、四国、九州に分布し、山地の林内や草原に生育します。湿り気のある半日陰の環境を好みます。

類似種との識別

コメガヤに似たイネ科植物はいくつかありますが、葉鞘の赤紫色や小穂の形、光沢などが識別点となります。注意深く観察することで、コメガヤを見分けることができます。

鑑賞

コメガヤは、その繊細な姿から、山野草として観賞されることもあります。特に、小穂が風に揺れる様子は、涼しげで美しいものです。庭に植えたり、鉢植えで育てたりすることで、身近にコメガヤの美しさを楽しむことができます。

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