コモドア・レコード

コモドア・レコードは、かつてアメリカ合衆国に存在した、歴史ある独立系ミュージック・レーベルです。

設立と背景

1938年、ニューヨーク市マンハッタンでレコード店「コモドア・ミュージック・ショップ」を経営していたミルト・ゲイブラーによって設立されました。当初はレコード店の別部門として、スウィング・ジャズやディキシーランド・ジャズといった、伝統的なジャズに特化したレーベル運営を行っていました。

エディ・コンドンやピー・ウィー・ラッセルなど、当時の著名なジャズミュージシャンが多数所属し、彼らの貴重な音源を数多くリリースしました。中でも、ビリー・ホリデイが歌った「Strange Fruit（奇妙な果実）」は、コモドア・レコードの代表的な音源として知られています。この曲は、人種差別の問題を提起した衝撃的な内容で、社会的な影響も与えました。

その後

第二次世界大戦後、ミルト・ゲイブラーはデッカ・レコードに移籍し、コモドア・レコードはデッカの傘下に入りました。しかし、1950年代半ばには活動を停止してしまいます。

その後、1962年にデッカがMCAレコードに買収され、1995年には親会社のMCAがシーグラムに買収されました。シーグラムは翌年、社名をユニバーサル ミュージックに変更しています。1998年には、シーグラムがポリグラムを買収し、ユニバーサル ミュージックに統合。これに伴い、デッカのジャズ部門を含めたシーグラム（MCA）系のジャズ・レーベルは、ヴァーヴ・レコード系列に入りました。

1999年1月には、ヴァーヴ・レコードがヴァーヴ・ミュージック・グループとして再編され、コモドア・レコードはその一部となりました。現在は、ユニバーサル ミュージック グループの傘下であるヴァーヴ・レコードが、コモドア・レコードの音源を管理しています。

主なアーティスト

コモドア・レコードには、以下のようなアーティストが所属していました。

エディ・コンドン
コールマン・ホーキンス
ビリー・ホリデイ
レスター・ヤング
ピー・ウィー・ラッセル
ワイルド・ビル・デヴィソン
チュウ・ベリー
ウィリー・ザ・ライオン・スミス
ボビー・ハケット
ジャック・ティーガーデン

コモドア・レコードは、短期間の活動でしたが、ジャズ史に残る重要な音源を数多く残しました。これらの音源は、現在もヴァーヴ・レコードを通じて聴くことができます。

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