コモンウェルス戦争墓地委員会

コモンウェルス戦争墓地委員会（CWGC）について

コモンウェルス戦争墓地委員会（CWGC）は、第一次世界大戦と第二次世界大戦において、イギリス連邦加盟国の戦死者を追悼し、墓地や記念碑の記録と管理を行う政府間組織です。この委員会は、イギリス、インド、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカの6か国で構成されています。

概要

CWGCは、1917年にフェビアン・ウェアーによって設立され、設立当初は「帝国戦争墓地委員会（IWGC）」を名乗っていましたが、1960年に現在の名称に変更されました。この委員会が行う墓地管理は、戦没者の氏名や所属を記載した墓石や記念碑を通じて、平等に追悼することを目指しています。委員会は、全てのコモンウェルス諸国の戦没者を身分や信条、種族に関係なく弔うことの重要性を強調しています。

現在、CWGCは約169万人の戦死者の墓地管理や追悼を行い、約2500か所の戦争墓地と記念碑を設立・管理しています。また、戦没者は国内外の約2万か所の墓地に埋葬されており、世界200か国にある記念碑も手がけています。さらに、戦争によらず亡くなった軍人や民間人を含め、約4万人の戦死者の管理も行っています。

財政と運営

CWGCの運営は、加盟国からの財政支援によって賄われています。会長はイギリスのケント公爵エドワード王子が務め、各国が負担する助成金の額は、委員会が管理する墓地の数に基づいて決定されます。2011年度の助成金総額は5535万ポンドに達しました。

歴史

第一次世界大戦の際、フェビアン・ウェアーは民間人として戦死者の埋葬管理に尽力し、後にIWGCの設立に携わりました。彼の活動は1915年に正式に政府に認められ、墓地登録委員会が創設されました。戦後の1917年には、より公式な組織としてCWGCが設立され、エドワード王太子が会長に就任しました。

戦後、CWGCは戦没者の追悼と墓地作りに着手し、集団墓地や記念碑の設計と建設を計画。これにはハーバート・ベイカーやエドウィン・ラッチェンといった著名な建築家が関与し、特にフランスやベルギーで数多くの共同墓地が整備されました。

現在の活動

CWGCは現在も多くの国で戦争による戦死者の追悼活動を行っており、特に民間人戦死者の記録管理にも焦点を当てています。第二次世界大戦後、民間人戦没者の追加があり、約6万7000名が記録に残されています。加えて、埋葬地や記念碑の設計においても、建築と園芸の観点から新たなアプローチがなされ、来訪者にくつろぎをもたらす工夫が施されています。

CWGCの持つ豊かな歴史と活動は、戦争によって命を失った人々への継続的な敬意と追悼を示すものです。彼らが築いた施設は、世界中の人々にとって重要な記憶の場となっています。

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