コリンスの包囲戦

コリンスの包囲戦：巧妙な撤退劇

コリンスの包囲戦（第一次コリンスの戦いとも）は、南北戦争初期の1862年4月29日から5月30日にかけて、ミシシッピ州北東部のコリンスで繰り広げられた戦いです。

戦いの背景

1862年4月7日、北軍はシャイローの戦いで勝利を収めました。この勝利を受けて、ヘンリー・ハレック少将率いる北軍は、重要な鉄道の中継点であったコリンスへ進軍を開始しました。

しかし、シャイローの戦いで大きな損害を被ったハレックは、非常に慎重な作戦を採用しました。前進するごとに塹壕を築き、防御を固めながら進むという、時間のかかる作戦でした。5月25日までに、北軍はわずか5マイル（約8キロメートル）しか進軍できず、コリンスの町を包囲する態勢を整えるまでに3週間を要しました。

戦闘の経過

南軍の指揮官P・G・T・ボーリガード将軍は、この状況を打開するため、巧みな策略を用いて軍隊を救出することに成功しました。

まず、南軍の一部兵士に3日分の食糧を与え、攻撃に備えるよう命じました。この情報は予想通り、北軍に漏洩しました。北軍が配置につくと、最初の砲撃戦が始まりました。しかし、これは陽動作戦でした。5月29日の夜、南軍は密かに撤退を開始しました。

南軍は、モービル・アンド・オハイオ鉄道を利用して、病人や負傷兵、重い大砲や大量の物資を運び出しました。列車が到着するたびに、兵士たちは援軍が到着したかのように歓声を上げました。また、防御用土塁には木製の偽装大砲を並べ、かがり火を焚き続け、ラッパ手や鼓手が演奏を続けることで、あたかも通常通りの活動が行われているかのように見せかけました。こうして、他の部隊は誰にも気づかれることなく撤退し、ミシシッピ州テューペロまで退却しました。

5月30日の朝、北軍の哨戒隊がコリンスに入ったとき、そこには南軍の兵士は一人もおらず、町はもぬけの殻でした。南軍は完全に姿を消していたのです。

その後

ジョン・ポープは、回想録の中で、ハレックの慎重すぎる作戦が、グラント、シャーマン、シェリダン、トーマス、マクファーソン、ローガン、ビューエル、ローズクランズなど、数多くの有能な北軍士官たちの能力を十分に活かせなかったと指摘しました。この戦いは、慎重な作戦が必ずしも勝利に繋がるわけではないことを示す教訓となりました。

脚注

関連項目

南北戦争
西部戦線 (南北戦争)

参考文献

Cozzens, Peter, and Robert I. Girardi, eds., The Military Memoirs of John Pope, University of North Carolina Press, 1998, ISBN 978-0807824443.
Kennedy, Frances H., ed., The Civil War Battlefield Guide, 2nd ed., Houghton Mifflin Co., 1998, ISBN 0-395-74012-6.
“National Park Service battle description”. CWSAC Battle Summaries. June 1, 2005閲覧。
“Reading 1: The Siege of Corinth”. Teaching with Historic Places. June 1, 2005閲覧。

外部リンク

* The Siege and Battle of Corinth: A New Kind of War, a National Park Service Teaching with Historic Places (TwHP) lesson plan

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