コルギス (オングト部)

コルギスの生涯と業績

コルギス（モンゴル語: Körgis、中国語: 闊里吉思、? - 1298年）は、13世紀末に活躍したオングト部族のリーダーであり、大元ウルスに仕官したテュルク系の人物です。彼はカイドゥ・ウルスとの対立が激化する中、重要な役割を果たしましたが、最終的には捕虜となったことでも知られています。彼はまた、そうした歴史的背景の中で、キリスト教の信仰を持つ一族の出身であり、名前も聖ゲオルギオスに由来します。

生い立ち

コルギスは、オングト部族の長であるアラクシ・ディギト・クリの曾孫にあたります。彼の父はアイ・ブカで、家庭では武勇だけでなく学問にも励みました。彼は私邸に「万巻堂」という建物を設け、儒者たちと共に経史や性理、陰陽と術数について討論を行っていたと言われています。このような教養はその後の彼の戦略やリーダーシップに大いに影響を与えたと考えられます。

コルギスの家系はチンギス・カン家と深くつながり、彼自身も裕宗チンキムや成宗オルジェイトゥ・カアンの娘たちと結婚し、強い政治的同盟を築いていました。これにより、彼はオングト部族の中で特に重要な地位を占めることになります。

ナヤンの乱

コルギスが歴史の舞台に登場したのは、至元24年（1287年）のナヤンの乱の際です。この反乱はオッチギン王家のナヤンにより巻き起こされ、コルギスは叛乱者に対抗するための軍を編成しました。彼のもとには西の将軍トトガクが集結し、迅速な行動を起こしました。彼らはエブゲンの軍と遭遇し、その戦において大勝を収めました。この戦いでコルギスは矢を三本も受けながらも奮戦し、戦後にはその功績が讃えられ、賞金を授与されました。

カイドゥウルスとの緊張関係

至元31年（1294年）にクビライが死去すると、コルギスは高唐王に任命されました。その時、カイドゥ・ウルスとの緊張状態が高まる中、コルギスは戦争の最前線での駐屯を要請しました。彼はカイドゥ軍との激闘を数度にわたって経験し、巧みに戦略を練ることで名声を確立しました。

特に大徳元年（1297年）には、敵軍との会敵において自己の部隊を導き、単独で敵を破った功績があり、それに対して高い評価を受けました。その後も、カイドゥ軍の襲撃に備え、戦略的な判断を下しましたが、彼の警告にもかかわらず、他の将軍たちは兵を休め、結果的に大元ウルスは大敗を喫することになりました。

捕虜となるまで

彼は混乱の中で捕虜となり、カイドゥによって招かれるもその誘いを拒絶しました。コルギスは自己の忠誠心と名誉を守ることを選び、心の中ではオルジェイトゥ・カアンへの忠誠がありました。その後、僅かにクビライの使者と会ったこともありましたが、その後の自由は得られませんでした。

死後の影響

大徳9年（1305年）、コルギスは追封され、高唐忠献王として称えられました。彼の死後、オングト部族はカトリック信仰からネストリウス派へと戻ったとされていますが、彼の影響力と業績は今日でも多くの人々に記憶されています。オングト部族の歴史とその中でのコルギスの役割は、モンゴルの歴史における重要な一ページとなっています。彼の信仰や試練、戦略は後世においても多くの教訓を与えるものです。

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