トトガク

トトガクの伝記とその功績

トトガク（モンゴル語: Tudγaγ, 中国語: 土土哈、1237年 - 1297年）は、13世紀のモンゴル帝国において、キプチャク人軍団を指揮した重要な人物です。彼は大元ウルスに仕える中で数々の戦功を挙げ、特に「シリギの乱」や「ナヤンの乱」などの重要な戦闘で活躍しました。その名は、モンゴル史の中で今なお語り継がれています。

名称と称号

トトガクという名前は、史料によって数通りの表記が存在します。『元史』では「禿禿哈」または「土土哈」と記述されている一方、『集史』ではペルシア語で「توقتاق」または「توتقاق」とされています。日本のモンゴル史研究者の間でも、表記は統一されていませんが、最近では「トトガク」が一般的に使われるようになっています。

アンセストリーと出自

トトガクの一族は元々キプチャク草原に住む首長層に属していました。彼の祖先は、モンゴル帝国の創始者オゴデイの治世に、バトゥの征西に従い、モンケの軍に投降しました。その後、移住した一族は「カラチ」という名で知られ、後に「カラチン部」という名称の由来になりました。トトガクの父バルトゥチャクもまた、モンゴル帝国の戦争に従軍し、クビライに仕込まれることで、家族は政権内で名声を得ました。

戦闘キャリアとシリギの乱

トトガクがその名を世に知らしめたのは、1276年に始まる「シリギの乱」の際です。この反乱は、カイドゥ家の統治に対する反発が引き起こしたもので、クビライはトトガクにキプチャク軍を指揮させてこの乱を鎮圧しました。彼は迅速に敵を打破し、敵将を捕らえ、反乱軍の弱体化に寄与しました。これにより、トトガクはクビライから評判を高められ、さまざまな褒賞を得ることとなります。

ナヤンの乱とその後の業績

1287年にはナヤンによる反乱が起こり、トトガクはその鎮圧にも大きく貢献しました。彼は密使を捕縛し、反乱の企てを未然に防ぎました。また、彼はエジル王の妹タルンを娶るなど、政治的な結びつきも強化しました。シベリアへの出兵などもしており、1292年にはアルタイ山脈に向かい、軍事的に更なる成果を収めました。

最期と家族

トトガクは1297年2月に61歳で死去します。彼には5人の妻と8人の息子がいました。長男のタガチャルや次男のタイ・ブカはそれぞれ将軍として重要な職務に就いていました。また、家族はモンゴル帝国の主要な定職に多く従事し、権力の中枢に影響を与え続けました。

トトガクの人生と業績は、モンゴル帝国の発展において欠かすことのできない要素となっており、彼の影響力はその後の世代にも波及しました。彼の物語は、時代を超えたリーダーシップを学ぶ上で貴重な歴史的教訓を提供しています。

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