コルト・スタジアム

コルト・スタジアムは、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンにかつて存在した野球場です。1962年から1964年までの3年間、MLBのヒューストン・コルト45's（現在のヒューストン・アストロズ）が本拠地として使用していました。

建設の背景

1962年のMLB球団数拡張に伴い誕生したヒューストン・コルト45'sの本拠地として、アストロドームが完成するまでの間、暫定的に使用されることになりました。通常であれば既存の球場を使用するのが一般的ですが、当時ヒューストンにあったバッファロー・スタジアムはMLBの規定する観客収容数を満たしていませんでした。そのため、急遽新たな球場を建設することになり、建設費用は150万ドルという比較的安価に抑えられました。

環境の問題

しかし、コルト・スタジアムは元々沼地だった場所に建設されたため、様々な問題が発生しました。特に、夏場の蒸し暑さは非常に厳しく、蚊が大量に発生するなど、選手や観客にとって過酷な環境でした。ある試合では、100人以上の観客が医務室に運ばれる事態となり、球場ではビールよりも虫除けスプレーが売れるという状況だったと言われています。

役割の終焉とその後

コルト・スタジアムと並行して建設が進められていたアストロドームが1965年に完成すると、その役割を終えました。その後しばらくの間は、練習場や資材置き場として使用されていましたが、1960年代後半にリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルの球団に10万ドルで売却され、メキシコのドゥランゴ州ゴメス・パラシオに移設されました。コルト・スタジアムの跡地は、現在アストロドームの駐車場として利用されています。

コルト・スタジアムは、短期間ながらもヒューストン・コルト45'sの本拠地として、MLBの歴史に名を刻みました。沼地の上に建設された球場という特殊な環境や、アストロドーム完成までの暫定的な役割など、様々なエピソードを持つ球場として記憶されています。

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