コルドロン

『コルドロン』の概要

『コルドロン』（原題：The Black Cauldron）は、1985年に公開されたディズニーのアニメ映画です。本作は、ロイド・アリグザンダーのプリデイン物語シリーズから『タランと角の王』および『タランと黒い魔法の釜』を基に制作されています。アニメーションの制作は1980年に開始され、1984年のクリスマスにリリースされる予定でしたが、厳しい編集作業が重なり、1985年に公開が延期されました。特に作品のクライマックスシーンが子供たちに不安を与える可能性があるとの懸念から、ウォルト・ディズニー・スタジオの新たな会長であるジェフリー・カッツェンバーグは、数シーンのカットを指示し、その結果として映画の公開が遅れました。

映画は、特に視覚的なストーリー展開に注力し、最近ではディズニーXDでの放送においても画質向上に努めてきました。2015年には、トリミングを最小限に抑えたハイビジョンバージョンで放送され、より多くの視聴者に良質な映像が提供されました。また、音楽に関してはユニバーサルミュージックが関与し、特定のコロムビアレコードやポニーキャニオン、エイベックス・エンタテインメントとは無関係です。

あらすじ

物語の主人公は、騎士を夢見る豚飼いの少年、ターランです。彼は師匠であるドルベンから、予知能力を持つブタのヘン・ウェンを守るという使命を託されます。このブタは、魔王ホーンド・キングによる脅威の中心におり、ホーンド・キングはヘン・ウェンの力を利用して不死の軍隊を生み出すため、伝説の魔法の大壺「ブラック・コルドロン」を探し求めています。

ターランは、少しの間目を離してしまった隙に、ヘン・ウェンが魔王の手下にさらわれてしまいます。彼はエロウィー姫という魔法使いの助けを受けて魔法の剣を手に入れ、森の住民たちであるガーギや吟遊詩人フルーダーと協力し、ヘン・ウェンとブラック・コルドロンの行方を追うために冒険の旅に出ます。彼らは妖精の国へと向かい、大きな試練と出会いながらも最終的な目標を追求していく姿が描かれています。

作品の特徴

『コルドロン』は、その独特なアニメーションスタイルや音楽に加え、冒険のスリルと友情の重要性を強調したストーリーが特徴です。視覚的な演出やキャラクター造形も際立っており、特にホーンド・キングの恐ろしさは印象的です。作品中で描かれる冒険は子供たちにはもちろん、多くの大人にとっても楽しめる内容となっており、さまざまな世代に愛されています。

この映画は後に、東京ディズニーランドのアトラクション「シンデレラ城ミステリーツアー」のモチーフにも使用され、ホーンド・キングやブラック・コルドロンが登場しました。このように『コルドロン』はディズニー作品の中でもユニークな位置を占め、文化的な影響も与え続けています。

映画の存在はディズニーファンにとって特別な意味を持ち、作品のエレメントは他のメディアにも影響を与えています。2006年に使用が開始されたウォルト・ディズニーのロゴタイプも、本作のポスターによるもので、長い間愛され続けている証でもあります。

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