コルネリス・スフート (甥)

コルネリス・スフート (Cornelis Schut)

コルネリス・スフートは1629年頃にフランドルで生まれ、1685年にスペインのセビリアで亡くなった画家です。彼はスペインではコルネリオ・スフートという名前で知られ、同名の叔父である歴史画家コルネリス・スフートと区別するために「3世」や「若い方のコルネリオ・スフート」と呼ばれることもあります。スペインの黄金時代の美術において、その名を馳せたバルトロメ・エステバン・ムリーリョの影響を受け、典雅なスタイルで著名な作品を残しました。

略歴

スフートはアントウェルペンで生まれ、一族の中でも有名な画家である叔父から絵の技術を学びました。彼の父親が技術者としてスペイン王に仕官していたことがきっかけで、家族と共にスペインに移ります。1653年にはセビリアに存在が確認され、1654年にセビリアの画家組合に入会することとなります。その後、彫刻家のホセ・デ・アルセが中心となる美術家グループに所属し、デ・アルセの妻の妹と結婚しました。

デ・アルセのサポートを受け、徐々に多くの絵画の委託を受けるようになります。1655年には自身の工房で弟子を取るようになり、それ以降も多くの弟子を指導しました。また、彼の工房ではデ・アルセの彫刻作品の彩色作業も行われていました。

1660年にはセビリアに新設された美術学校に参与し、その後は絵画を教える立場に就きます。1672年にはバルトロメ・エステバン・ムリーリョ、フランシスコ・エレーラと共に校長に選任され、4年後にも再選されました。学校の運営に務めるため、自ら私費を投じてモデルを雇ったり展覧会の賞金の提供を行うなどの活動をしていました。

画家としての活動が成功を収めましたが、晩年には病気にかかり、長期にわたる治療費がかさんで財産を失い、その後、命を享年で終えたといいます。

作品

スフートの作品の多くはセビリアに残されており、特にセビリア大聖堂には彼の名作が存在します。彼が描いた作品は歴史画、肖像画、静物画と多岐にわたり、フランドル絵画の影響が見られる一方で、イタリアで学んだフランシスコ・エレーラや独自のスタイルを築いたバルトロメ・エステバン・ムリーリョからも影響を受けていました。これにより、17世紀のセビリア絵画のスタイルを具現化した作品を数多く残しています。

スフートの芸術は、当時の美術界における彼の重要な位置を示しており、また彼自身の独特な表現スタイルは、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

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