コルヒーダ (ヨット・2代)

コルヒーダの歴史

コルヒーダ（ロシア語: Колхида）は、ロシア帝国の帝室ヨットとして特別に建造された軍艦であり、その名称はグルジアの古代王国コルキスに由来しています。コルヒーダは、ロマノフ家専用の高速軍艦として計画され、主に黒海で運用されることを目的としていました。

建造と初期の運用

コルヒーダはそのデザインにおいて独特で、戦艦としての特性を持つ艦艇でした。1913年には黒海艦隊の通報艦としての役割に転じ、改称されてペルナーチ（Пернач）と呼ばれるようになりました。ペルナーチの名称は、ルーシ時代に使用された刃物の一種にちなんでいますが、多くの人々は依然として旧名のコルヒーダで呼んでいました。

ロシア革命と運命の変化

1917年、ロシア革命の勃発と共に、ペルナーチは臨時政府の黒海艦隊に配属されました。この革命的な時期には、巡洋艦アヴローラによる冬宮への砲撃が行われ、10月の革命が成功したことを告げました。午前10時に、革命戦時委員会は無線を通じて全市民に労働者と農民が権力を掌握したことを宣言しました。この重要な発表は、南ロシアのペルナーチからの情報によって支えられ、ペルナーチもソヴィエト政府の命令を伝える役割を果たしました。この時期に、ペルナーチは「ドンのアヴローラ」という新たな名前で知られるようになります。

白色艦隊との関わり

しかし、ドンのアヴローラの運命は厳しいものとなりました。南ロシア一帯は白軍の支配下に置かれ、ペルナーチも1918年には義勇軍に接収されて白色ドン小艦隊に取り込まれました。さらに1919年には、エリピジフォル級砲艦や武装掃海艇などと共に分遣隊に所属し、黒海艦隊に編入されました。このころ、ペルナーチは元の艦名であるコルヒーダに戻され、再びその名を冠することになったのです。

沈没とその後

1920年、黒海の暴風雨の中でコルヒーダは遭難し、ブルガリアのカラ＝ブルン岬沖で沈没しました。その後、数年にわたり引き上げの試みが行われましたが、成功には至らず、わずかな上部構造の残骸が引き上げられたに留まりました。現在、ブルガリアのヴァルナにある海軍博物館では、コルヒーダから引き上げられた遺物として狗鷲の頭部が彫られた木製の船首像と羅針盤が展示されています。また、ロストフ＝ナ＝ドヌーにある郷土資料館では、その模型が公開されています。

コルヒーダは、ロシア帝国の歴史や艦艇の役割を知る上で重要な存在であり、その物語は多くの人々に記憶されています。

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