コルム・ウィルキンソン

コルム・ウィルキンソン：アイルランドのミュージカル界のスター

コルム・ウィルキンソン（Colm Wilkinson、生年1944年6月5日）は、アイルランドに生まれ、世界的に著名な歌手及び俳優として知られています。彼の名は特にミュージカル『レ・ミゼラブル』における初代ジャン・バルジャン役や、『オペラ座の怪人』のファントム役で広まりました。

幼少期と音楽との出会い

ウィルキンソンはダブリンのドリムナで育ち、音楽に恵まれた環境で成長しました。母親はアマチュアの舞台活動に参加し、バイオリンを演奏。一方、父親はバンジョーやピアノを巧みに操り、歌うことを楽しみました。こうした家庭環境により、彼は早くから音楽への興味を持ち、数々のアイリッシュバンドに参加しました。

ミュージカルキャリアのスタート

1972年にはアンドルー・ロイド・ウェバー作曲の『ジーザス・クライスト・スーパースター』のダブリン公演で、イスカリオテのユダ役を演じることでミュージカル俳優としての道を歩み始めました。この役は後にロンドンや全国ツアーでも演じられ、ウィルキンソンはその存在感を増していきました。

代表作と成功の階段

1976年に『エビータ』のチェ役として名を馳せ、1977年には自らの名を冠したアルバム『C.T.Wilkinson』をリリースし、アイルランドの音楽チャートで8週連続1位を記録しました。1978年にはユーロビジョン・ソング・コンテストにアイルランド代表として参加し、5位に入賞します。

1985年にはオペラ座の怪人のファントム役を初めて演じ、とりわけ評価を受けました。その後、ウィルキンソンは『レ・ミゼラブル』の初演に参加し、ジャン・バルジャン役を演じることになりました。この作品は彼のキャリアにおける転機となり、1987年のブロードウェイ公演でも同役を務め、その後も高い評価を受けました。

アメリカでの挑戦

ニューヨークでの公演に際し、当初、アメリカの俳優組合からの反発がありましたが、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュの尽力により、ウィルキンソンがバルジャン役を演じたことで、その問題は解決しました。彼はこの役で複数の賞にノミネートされ、いくつかの賞を受賞したことで、彼の名声は確固たるものとなりました。

カナダでの生活とさらなる活躍

1989年、トロントでの『オペラ座の怪人』の初演に出演するため、ウィルキンソンはカナダに移住しました。その後も多くの舞台に立ちながら、カナダの市民権も取得しました。2000年代初めには、音楽活動を再開し、ソロアルバム『Some of My Best Friends Are Songs』をリリース。このアルバムには、自身が愛する曲や舞台で演じた曲が収められています。

映画やメディアへの進出

映画『レ・ミゼラブル』（2012年）では司教役を演じ、広く評価されました。また、テレビドラマ『THE TUDORS〜背徳の王冠〜』にも出演し、ダーシー卿役を演じました。

現在の活動

近年では個人コンサートやイベントに出演し続けており、2015年には日本での特別コンサートも行いました。ウィルキンソンの歌声と演技は、多くのファンに愛され続けており、彼の影響力はミュージカルの界隈を超えて広がっています。彼の楽曲や舞台作品は、今後も多くの人々に感動を与えることでしょう。

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