ユーロビジョン・ソング・コンテスト

ユーロビジョン・ソング・コンテストとは

ユーロビジョン・ソング・コンテスト（Eurovision Song Contest、ESC）は、欧州放送連合（EBU）加盟放送局によって開催される、世界最大級の音楽コンテストです。1956年の第1回大会から毎年開催されており、その規模と歴史の長さから、世界的に非常に有名なテレビ番組の一つとなっています。

大会の概要

各国代表のアーティストが生放送で自国の楽曲を披露し、参加国が互いに投票し合って優勝者を決定します。視聴者数は1億人から6億人とも言われ、ヨーロッパを中心に世界中で視聴されています。2015年には、「最長寿年度テレビ音楽コンペティション（国際）」としてギネス世界記録にも認定されました。

ヨーロッパ以外の国々でも放送されており、近年ではインターネット中継も行われています。2015年からはオーストラリアも参加国となり、その国際的な広がりをさらに増しています。

コンテストの始まり

第二次世界大戦後のヨーロッパで、欧州放送連合が加盟国一体となって楽しめるエンターテイメント番組を模索したのが始まりです。イタリアのサンレモ音楽祭をモデルに、国際的な歌唱コンテストとして企画されました。当時はまだ衛星放送がなく、ユーロビジョン・ネットワークと呼ばれる地上マイクロ波中継によって各国を結んでいました。

大会の形式

大会の形式は時代とともに変化していますが、基本的には、各国が代表曲を選出し、生演奏で披露し、参加国が互いに投票するという流れです。優勝国には次回の開催権が与えられます。

司会者の人数は特に決まっておらず、1人または複数の司会者が大会を進行します。楽曲披露と投票の間には、様々な幕間アクトが披露されます。

大会の放送前後に流れるテーマソングは、マルカントワーヌ・シャルパンティエの「テ・デウム」のプレリュードです。

近年では、参加希望国の増加に対応するため、準決勝が導入されています。

参加国について

欧州放送連合（EBU）の正加盟局のみが参加できます。地理的な条件は必須ではなく、ヨーロッパ域外の国も参加しています。

参加国は国内選考を行い、自国代表の1曲を選出します。国内選考の方法は様々で、公開の国内大会を開催する国もあれば、リアリティ番組の優勝者を選出する国もあります。

開催地について

原則として前年の優勝国で開催されますが、例外もあります。開催費用はスポンサーからの出資や参加国からの参加費で賄われます。

会場は、多くの観客を収容できる首都に置かれることが多いですが、首都以外で開催されることもあります。

ユーロビジョン・ウィーク

大会が開催される週は「ユーロビジョン・ウィーク」と呼ばれ、参加アーティストはリハーサルや記者会見などを行います。ユーロクラブと呼ばれるナイトクラブも開催され、大会関係者が集まります。

投票方法

各国は他国の楽曲に投票し、得点の高い順に1点から12点を与えます。自国への投票は禁止されています。

近年では、視聴者投票だけでなく、審査員による投票も行われています。

投票結果は、各国の代表者が順に発表します。最高得点の12点が発表される瞬間は、大会のハイライトの一つです。

同点首位の場合の規定も設けられています。

参加義務

すべての参加放送局は、番組を全編にわたって放送する義務があります。

政治的な問題

過去には、国家承認に関する政治的な問題が発生したこともあります。

批判と論争

ユーロビジョン・ソング・コンテストは、音楽性や政治的な投票行動など、様々な面で批判や論争の対象となっています。

スピンオフ企画

ユーロビジョン・ソング・コンテストから派生した大会も数多く存在します。

ユーロビジョン・ソング・コンテストは、単なる音楽コンテストにとどまらず、ヨーロッパの文化や政治を反映するイベントとして、世界中の人々を魅了し続けています。

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