コレオ

コレオ（Coleo）

コレオは、ベネズエラとコロンビアで親しまれている伝統的な馬上競技で、ロデオに似た形態を持つスポーツです。この競技は、16世紀中頃にその起源を誇り、現在も多くの人々に楽しまれています。コレオは「コレオ・デ・トロス」とも呼ばれ、参加者は馬に乗ったカウボーイであるリャネーロ（llanero）です。

概要

競技は、細いコースである「マンガ・デ・コレオ」において行われ、小人数のリャネーロたちが速さと技術を駆使して牛を追い立て、倒すことを競います。男性の競技者は「コレアドール」、女性は「コレアドーラ」と呼ばれます。コレオは特に大きな祭りや宗教行事に合わせて開催されることが多く、ベネズエラ全土やコロンビアの一部地域で広く行われています。また、旧大コロンビアに該当する地域では、メキシコやブラジル、ニカラグア、キューバ、ペルー、パナマの各国でも行われています。コレオの国際大会には、ベネズエラやキューバ、メキシコ、コロンビア、パナマ、ブラジルが参加しています。

競技形態

コレオは、特設の落とし戸の中に牛と馬に乗ったコレアドールたちが待機し、審判の号令により競技がスタートします。競技は、約100メートルの長さを持つ二重の柵で囲まれたコース上で行われ、参加者の技量や年齢に応じて、牛の代わりに仔牛が使用されることもあります。最初に牛が放たれ、その後に馬に乗ったコレアドールが牛を追い立てていきます。もしコレアドールが牛の尻尾をつかむことができたら、そのまま尻尾を握りつつ馬のスピードを上げ、牛を倒すことを目指します。競技の目的は、牛を倒すまでの時間の短さを競い、早さと技術が求められます。

コレオは非常に刺激的で危険度の高いスポーツです。多くの参加者は男性ですが、女性のみのチームが行われることもあります。最低限の防具で高速で馬に乗るため、事故のリスクが伴います。また、多くの場合、観客は柵の上に座って競技を観戦するため、興奮したり酔っぱらった人が競技エリアに落ちたり、競技者や牛に危害を加えることもあります。

競技者と団体

ベネズエラには「ベネズエラコレオ連盟」という組織が存在し、同様の団体がコロンビアにも設立されています。プロのコレアドールは約40人存在しますが、アマチュア選手はこの数を上回るため、一般的にアマチュアが多くを占めています。コレオはその歴史や文化的な背景の中で、多くの人々に親しまれ、現代でもその伝統が受け継がれながら発展し続けています。

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