コロとその港

ベネズエラの北西部に位置するコロとその港は、ユネスコの世界遺産に登録された文化遺産です。1993年に登録されたこの地は、コロの景観が特に評価されています。

概要

コロは、ベネズエラの首都カラカスの西約180km、カリブ海に面した場所に位置し、ファルコン州の州都でもあります。この街並みの最大の特徴は、初期の入植者であるスペインのコロニアル様式と、コロの対岸の島を支配していたオランダのバロック形式が見事に融合している点です。2004年時点では、約600もの歴史的建造物が現存しており、その文化的価値を今に伝えています。

歴史

1527年、スペイン人によって入植が開始され、初期の植民都市としての歴史を歩み始めました。その後、スペイン国王カルロス1世から開拓権利を購入したドイツの商人ヴェルザー家の支配下に入ります。一時は砂糖貿易の拠点として繁栄しましたが、南米の他の都市との競争に敗れ、貿易港としての機能は徐々に衰退していきました。さらに、ハリケーンなどの自然災害や、カリブ海の海賊による度重なる襲撃も、衰退に拍車をかけました。2004年現在、コロは小さな漁港の町として、その歴史を静かに刻んでいます。

登録基準

コロとその港が世界遺産として登録されたのは、以下の登録基準を満たしていると認められたためです。

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
コロには、スペインとオランダの建築様式が融合した独特の景観が残されており、その歴史的価値が高く評価されました。
(5) ある文化（または複数の文化）を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
コロは、初期の植民都市としての歴史を持ち、その文化が色濃く残る伝統的な集落として評価されました。また、自然災害や海賊の襲撃といった歴史的な背景から、その存続が危ぶまれている点も考慮されました。

コロとその港は、その美しい街並みと歴史的背景から、世界中の人々を魅了する貴重な文化遺産です。

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