コロンビアの鉄道

コロンビアの鉄道：歴史と現状

コロンビアの鉄道は、複雑な歴史と地理的制約の中で発展を遂げてきました。パナマがコロンビア領であった1855年に開通したパナマ地峡鉄道は、コロンビア最古の鉄道としてその歴史の幕開けを告げました。その後、1860年代にはボゴタ、メデジン、バランキージャといった主要都市を中心に民間の鉄道会社が設立され、鉄道網の拡大に向けた計画が活発に進められました。

しかし、コロンビアの険しい山岳地帯は鉄道建設に大きな障壁となりました。技術的な困難と多大な建設費用は、容易に克服できるものではありませんでした。当時、コロンビアにおける主要な交通手段はマグダレナ川の水運でした。そのため、鉄道は河川港と主要都市を結ぶ補助的な役割に留まり、全国的な鉄道網の整備は遅々として進みませんでした。この初期段階においては、ボゴタ・サバナ鉄道やアンティオキア鉄道などが代表的な鉄道事業者として活動していました。

第二次世界大戦後、コロンビア政府は本格的な全国鉄道網の構築を目指し、1954年には国営のコロンビア国鉄を発足させました。しかし、この取り組みも容易ではありませんでした。戦後の経済発展に伴い自家用車の普及が進み、鉄道の利用者は減少の一途を辿りました。巨額の赤字は深刻な政治問題となり、1991年には国鉄の解散が決定。これにより、コロンビアの旅客鉄道は事実上その歴史に幕を閉じました。

旅客輸送は衰退の一途を辿りましたが、貨物輸送は継続されています。国鉄消滅後も、石炭や石油などの資源を港湾へと輸送する地域的な貨物鉄道会社が設立され、現在も重要な役割を担っています。代表的な事業者としては、太平洋鉄道、西部鉄道会社、大西洋鉄道、Ferrocarriles del Norte de Colombia S.A.（FENOCO）、Cerrejónなどが挙げられます。

近年では、都市部の交通事情の改善に向けた取り組みも見られます。1995年にはコロンビア第二の都市メデジンに近代的な地下鉄メデジンメトロが開業しました。このメトロ路線は、かつてのアンティオキア鉄道の土地の一部を利用して建設されました。首都ボゴタにおいても、旧ボゴタ・サバナ鉄道の路線を再利用したレジオ・トラムの建設が進められており、今後の都市交通の改善に期待が寄せられています。

[コロンビア]]の鉄道は、標準軌]と[狭軌]の二種類の軌間が用いられています。[[標準軌の路線は150km、狭軌は3,154km(うち2,611kmが運行中)となっています。

隣国との鉄道接続状況は、ベネズエラとの接続は存在するものの現在運行はされていません。ブラジル、ペルー、エクアドル、パナマとは鉄道は接続されていません。コロンビアの鉄道は、その歴史の中で幾多の困難を経験しながらも、貨物輸送を中心にその機能を維持し、都市部においては新たな交通システムの構築が進められています。今後の発展に注目が集まります。

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