コロンブス・デー

コロンブスの日

コロンブスの日、またはコロンバス・デー（英: Columbus Day）は、アメリカやラテンアメリカの多くの国で祝われる特別な祝日です。この日は、1492年10月12日にクリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達したことを記念しています。アメリカ合衆国では「Columbus Day」と称される一方、ラテンアメリカ諸国では「Día de la Raza」（民族の日）や「Día de las Culturas」（文化の日）などと呼ばれることが一般的です。

歴史

この祝日は、18世紀末から非公式に祝われ始め、20世紀初頭から様々な国々で正式な祝日となりました。アメリカ最初の公式祝日としては、1906年にコロラド州が制定し、1937年には連邦政府の公式祝日となります。1892年にはコロンブスのアメリカ到達400周年を祝うイベントが行われ、以降アメリカ国民の愛国的精神を育む重要な日とされてきました。

また、コロンブスの出身地であるイタリアのイタリア系アメリカ人にとっても、コロンバス・デーは自身の文化を祝う日として重要視されています。1866年にニューヨークで初めてイタリア系コミュニティによる祝賀パレードが行われたことが、アメリカにおけるコロンブスの日を特別な存在にしています。

祝日としての認識

アメリカ合衆国では、コロンブス・デーは毎年10月の第2月曜日に祝われます。この日は多くの学校、銀行、公共機関が休業し、一般企業の営業状況は地域によって異なります。また、アメリカ海軍設立の記念日とも重なるため、海軍や海兵隊の関連行事が行われることもあります。コロンブス・デーのパレードや祭典は全米各地で開催されますが、その規模や重要性は地域によって異なります。

反対運動

一方で、コロンブス・デーに対する反対の声も高まってきています。特に、先住民の視点から見た歴史の影響を考慮しようとする動きがあり、コロンブスによる到達が先住民族の文化や生活に及ぼした影響を無視することの危険性が指摘されています。1970年代からは、ネイティブ・アメリカン運動の一環として、コロンブス・デーに抗議を行う運動も活発化し、州によっては「ネイティブ・アメリカンの日」など、別の名称に変更される事例もあります。

各国の祝日

コロンブスの日は、アメリカの他にもラテンアメリカやスペイン、イタリアなど、多くの国々で祝われています。

• - ラテンアメリカ: 中南米諸国では、コロンブスの到達をきっかけにした歴史的な出来事を記念し、10月12日を祝日として祝っており、多くは「Día de la Raza」と名付けられています。
• - スペイン: スペインでは「Fiesta Nacional」として、コロンブスのアメリカ到達を記念し、パレードなどが行われますが、一部からは植民地支配を賛美するものとして批判も受けています。
• - イタリア: コロンブスの出身地として、コロンブスの日は「Giornata nazionale di Cristoforo Colombo」として公式に祝われています。

現在の動向

近年では、カリフォルニア州やミネソタ州などでコロンブス・デーの名称が「Indigenous Peoples' Day」などに変更される傾向も見られ、アメリカ社会においてコロンブスの日に対する認識は変化しつつあります。このような流れは、コロンブスの日が単に祝われるのではなく、真の歴史を学び直す契機として進展しています。

コロンブスの日は、さまざまな側面を持つ複雑な祝日です。歴史を振り返り、異なる視点からその意義を考えることが求められています。

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