コロンボ外郭環状道路

コロンボ外郭環状高速道路

コロンボ外郭環状高速道路は、スリランカ最大の都市コロンボの郊外を環状に結ぶ高速道路です。総延長29kmに及び、南部高速道路とコロンボ-カトゥナーヤカ高速道路を接続し、コロンボ市街地を通過する交通を迂回させる重要な役割を担っています。この高速道路は、将来的にコロンボ-キャンディ高速道路との接続も計画されており、スリランカの主要都市間の移動を円滑にするための基盤となることが期待されています。

歴史

1992年に最初の調査が行われ、5つのルートが検討されました。1999年には日本政府の支援によるフィージビリティスタディが実施され、環境アセスメントを経て、ケラウェラピティアからコッタワまでの28kmの建設が承認されました。詳細設計は2001年7月から開始されましたが、地元住民の反対により一時中断されました。その後、政府が住民の移住を決定し、2009年10月に建設工事が開始されました。計画当初、工事完了には少なくとも8年を要するとされていましたが、各段階を経て完成に至っています。

建設工事

建設は3つのフェーズに分けられました。

第1フェーズ: コッタワ - カドゥウェラ間（11.0km）
第2フェーズ: カドゥウェラ - カダワッタ間（8.9km）
第3フェーズ: カダワッタ - ケラウェラピティア間（9.3km）

当初、2017年9月の完工を目指していましたが、建設費は1kmあたり5,700万米ドルと推定され、スリランカで最も高額な高速道路の一つとなりました。

各フェーズの詳細

第1フェーズ
コッタワからカドゥウェラまでの約11km区間は、270億ルピーを投じて2014年3月に完成しました。この工事は中国港湾工程有限責任公司が担当しました。

第2フェーズ
カドゥウェラからカダワッタまでの9.8km区間は、2012年2月18日に着工し、2015年9月に完了しました。建設費は490億ルピーと推定されています。この区間は日本政府の円借款によって実施され、大成建設が建築を担当しました。将来的には、カダワッタからキャンディ、クルネーガラ、ダンブッラなどの主要観光地を結ぶ北部高速道路が計画されています。

第3フェーズ
2013年1月に、中国冶金科工集団会社（中冶集団）との間で契約が締結され、666億9千万ルピーの契約額で建設が開始されました。この区間は中国輸出入銀行が融資を行い、コロンボ - カトゥナーヤカ高速道路との接続を実現しました。これにより、ゴールからカトゥナーヤカまでが高速道路で結ばれることになります。工事は2019年6月末に完了しました。

道路規格

高速道路と交差するすべてのAクラス国道にはインターチェンジが設置され、制限速度時速100kmの4車線道路として整備されました。将来的な交通量の増加を見据え、6車線に拡張するための用地も確保されています。

名称

コロンボ外郭環状高速道路は、スリランカに移住したイギリスの小説家アーサー・C・クラークにちなんで、「アーサー・C・クラーク高速道路」という副名称が付けられています。

今後の展望

この高速道路は、コロンボ市街地の交通渋滞緩和だけでなく、スリランカ国内の主要都市を結ぶ重要なインフラとして、経済発展と観光振興に大きく貢献することが期待されています。

関連項目

スリランカの交通
スリランカの高速道路

外部リンク

E02 - Outer Circular Highway (OCH) 行政当局の紹介サイト（英語）

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