コンクリートダム

コンクリートダムの概要

コンクリートダムは、主にコンクリートを原材料として堰堤を形成するダムのことを指します。基礎岩盤の状態や経済性により、いくつかのタイプに分類されます。以下では、代表的なダムの型式について詳しく解説します。

重力式コンクリートダム

重力式コンクリートダムは、その名の通り、ダムの自重と地球の重力を活用して水圧に対抗する形式です。この型式はダムの中でも特に頑丈であり、地震や洪水にも強い特性を持っています。日本のように自然災害のリスクが高い地域では最適な選択肢とされています。建設には大量のコンクリートが必要ですが、最近では材料の使用量を減少させる技術も開発されています。また、基礎地盤が堅固である場所が理想ですが、さまざまな工法を用いることで比較的地盤条件が悪い地域でも構築が可能です。

中空重力式コンクリートダム

中空重力式コンクリートダムは、内部に空洞を持つ点が特徴のダムです。この型式は、かつてコンクリートのコストが高かった時代に、建設費を抑えるために開発されました。基礎地盤への接地面が広く設計されるため、重力式ダムと同様の耐水圧性能を持っています。ダムの上部には「タコ足」と呼ばれる独特な形状が見られ、この外観が特徴的です。中空重力式ダムはイタリアで開発され、日本で多くのプロジェクトが進められましたが、施工の難しさやコストの高騰から、次第に建設件数が減少しています。

バットレスダム

バットレスダムは、上流部に設置された止水壁が水圧を受け、その圧力を扶壁（バットレス）で支える方式のダムです。扶壁によりコンクリート量を節約することができ、経済的ですが地震には弱く、洪水処理にも難点があります。コストの高騰や耐震性への懸念から、近年は建設されることが減少しています。

アーチ式コンクリートダム

アーチ式コンクリートダムは、アーチの形状を通じて水圧を両岸の基礎岩盤に分散させる型式です。この方式は、自重による支持ではなく、岩盤の強度を活かすため、基礎岩盤が非常に堅固でなければなりません。コンクリート量を少なく抑えられるため経済的ですが、高度な技術が求められるため、建設における構造計算が複雑です。ハイダムとしての採用実績が高く、特にスイスや中東地域に多く存在しています。

台形CSGダム

台形CSGダムは、厳密には従来のコンクリートダムには含まれませんが、新たなダム型式として注目されています。これは、セメントと砂利を混合してダムを形成する手法で、経済性が高い点が特長です。従来のコンクリートダムに比べて、求められる骨材の品質が柔軟であるため、多様な素材の使用が可能です。ただし、地震への耐久性や洪水処理については検討が必要で、現在の実績は限られています。

以上のように、コンクリートダムは様々な型式によって構築され、それぞれに特有の利点と欠点があります。これらの型式を理解することで、ダムの選定や設計に役立てることができるでしょう。

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