コンスタンティノス3世

コンスタンティノス3世（Κωνσταντίνος Γʹ、612年5月3日 - 641年5月24日）は、東ローマ帝国、ヘラクレイオス王朝の第2代皇帝です。在位期間は641年と短命でした。彼は初代皇帝ヘラクレイオスの長男であり、母は先妻のエウドキアです。本名はヘラクレイオス・ネオス・コンスタンティノス（Ηράκλειος νέος Κωνσταντίνος）といいます。

生涯

641年、父ヘラクレイオスの崩御に伴い、コンスタンティノス3世は皇帝の座に就きました。しかし、父の遺言により、彼の義母でありヘラクレイオスの後妻であるマルティナ（ヘラクレイオスの姪）の息子ヘラクロナスと共同で統治を行うことになりました。この共同統治は、コンスタンティノス3世派とヘラクロナス派という二つの勢力による宮廷内での激しい抗争の火種となりました。

コンスタンティノス3世の治世は、これらの内部抗争によって大きく左右されました。短期間の在位中に、彼は権力闘争の中心に置かれ、その結果、不慮の死を迎えることとなりました。彼の死因については、義母マルティナによる毒殺であるという噂が流れ、宮廷内はさらに混乱を深めました。

マルティナは、息子のヘラクロナスの後見人として、自らが権力を掌握しようと目論見ました。しかし、コンスタンティノス3世を支持する勢力や、近親相姦（ヘラクレイオスとの伯父姪婚）によって生まれたマルティナとその息子を嫌悪する首都の市民たちの強い反発に直面しました。結果として、マルティナはコンスタンティノス3世の息子であるヘラクレイオス・コンスタンティノスを共同皇帝に迎えざるを得なくなりました。この事態は、マルティナの権力掌握の試みが失敗に終わったことを示しています。

コンスタンティノス3世の短い治世は、東ローマ帝国の権力構造の不安定さと、宮廷内における陰謀や権力闘争の激しさを如実に示しています。彼の死は、帝国の政治的混乱を加速させ、その後の歴史に大きな影響を与えることとなりました。

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