コンスタンティノープル条約 (1712年)

コンスタンティノープル条約について

コンスタンティノープル条約（英：Treaty of Constantinople）は、1712年4月16日にオスマン帝国の首都コンスタンティノープルで、ロシア・ツァーリ国とオスマン帝国の間に締結された重要な条約です。この条約は、1711年に結ばれたプルト条約の内容を再確認し、二国間の緊張を緩和することを目的としていました。

条約の主要内容

コンスタンティノープル条約は、いくつかの重要な条項によって構成されています。まず、ロシア軍はポーランド＝リトアニア共和国から1か月以内に撤退することが義務付けられました。また、ウクライナとポーランドに関しても、ロシアはその領土から手を引くことを約束しました。

戦闘行動に関する合意

条約の第1条では、スウェーデン軍がポーランドに侵入した場合において、ロシアのピョートル1世がポーランド領でスウェーデン軍と戦うことが許可されました。これにより、ポーランドの自衛に対するロシアの支援が明確にされました。一方で、第2条ではスウェーデンのカール12世及びその軍隊の自由な行動が保証されました。

領土問題

また、ピョートル1世は右岸ウクライナとザポロージャのシーチに対する権利の請求を放棄しましたが、ドニエプル川西岸ではキエフのみを確保しました。このことは、ウクライナ地域におけるロシアの影響力が大幅に制限されたことを意味しました。さらに、ドニエプル川西岸に住むコサックたちは、ロシアの支配から独立する権利を認められました（第3条）。

要塞建設に関する合意

条約の中で、ロシアとオスマン帝国の両国は、アゾフとチェルカスキーの間に要塞を建設しないことに合意しました。この合意は、両国間の軍事的緊張を緩和する意図が込められていました。

条約の意義

コンスタンティノープル条約は、ロシアとオスマン帝国の関係において重要な転機となりました。この条約を通じて、戦争を回避し、両国間の平和を維持することが目指されました。また、ロシアにとっては、ウクライナにおける支配の確立に向けた第一歩とも言える契機となったのです。

ロシア代表として条約に署名したのはピョートル・シャフィーロフであり、彼の交渉力が評価される事例として残っています。この条約は、以降のロシアとオスマン帝国の外交関係に影響を与えることとなり、歴史的な意義を持つ文書となりました。

参考文献

• - История дипломатии, т. 1. М., 1959.
• - Аркас М. М. Історія України-Русі. К., 1991.

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