コンスティチューション (帆走フリゲート)

コンスティチューション（USS Constitution）

コンスティチューション（USS Constitution）はアメリカ海軍の伝説的なフリゲート艦であり、愛称「オールド・アイアンサイズ」として知られています。この艦は1797年に進水し、現存する艦の中で最も古い木造現役艦として、アメリカの海軍史において重要な役割を果たしてきました。船名の由来はアメリカ合衆国憲法にあり、そのデザインはジョシュア・ハンフリーズによります。

建造と初期の歴史

コンスティチューションは1794年に6隻のフリゲート艦の1隻として建造を承認され、マサチューセッツ州ボストンで製造されました。特に弾力性のある2,000本のライブ・オーク材が使用され、側板の厚さは7インチ（約178mm）に達します。また、構造的な工夫として対角線上に交差する筋違いが採用され、船体の強度が大幅に向上しました。1798年に初出航し、フランスとの擬似戦争では合衆国南東沿岸の警戒任務に従事しました。

米英戦争とその後の活躍

1812年、コンスティチューションは米英戦争に参加し、その名声を確立しました。特に、同年8月19日に起きた英国のフリゲートHMSゲリエールとの戦闘では、自艦の木製の側板が英国の砲弾を跳ね返したことから、「オールド・アイアンサイズ」という愛称が生まれました。この戦闘では、ゲリエールを撃沈するだけでなく、その後の戦闘でも数隻の敵艦を捕獲し、アメリカの士気を高めました。

コンスティチューションは戦争後も活躍を続け、1844年には世界周航を果たしました。しかし、1850年代に入ると新型艦によってその役割は制限されていきました。南北戦争の際は、海軍士官候補生の訓練艦として使われました。

復活と近代化

1930年代には解体の危機に直面しましたが、オリバー・ウェンデル・ホームズの詩「オールド・アイアンサイズ」に影響され、復活が決定されました。1925年には再修理が施され、その後数十年間は国の象徴としての役割を果たしました。1976年にはアメリカ独立200周年を祝うため、エリザベス2世が訪問し、その存在は一層の栄誉を受けました。

現在の役割

現在、コンスティチューションは「国の船」として、訪れる観光客にアメリカ海軍の歴史を紹介する役割を担っています。55名の現役水兵が乗組し、教育プログラムや特別イベントに参加しており、市民に開放されています。チャールズタウン海軍基地に係留されており、見学者は自由に艦内を見学することができます。

さらに、コンスティチューションはアメリカ海軍で唯一、敵を沈めた経験を持つ艦でもあり、その歴史的意義は非常に高いとされています。ボストンを訪れる観光客にとって、コンスティチューションはアメリカの海軍の象徴として、今後もその存在感を持ち続けることでしょう。

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