コンセール・ラムルー

コンセール・ラムルーとは

コンセール・ラムルー（Concerts Lamoureux）は、フランスのパリに拠点を置く民間のオーケストラであり、正式にはラムルー管弦楽団（Orchestre Lamoureux）と呼ばれています。1881年に、ヴァイオリン奏者で指揮者のシャルル・ラムルーによって設立されました。このオーケストラは、パリの民間オーケストラの中でも特に重要な存在とされ、コンセール・パドルーやコンセール・コロンヌと並ぶ3大オーケストラの一つとされています。

設立と歴史

コンセール・ラムルーの設立当初、シャルル・ラムルーは週毎のコンサートを行うため、パリ10区のシャトー・ド・オー劇場と契約を結びました。1881年10月23日には初めての演奏会が開催され、以後、内外の新曲を積極的に取り上げることを通じて、様々な作曲家の作品を広めました。特にワーグナーの楽曲の紹介に関しては情熱を持って取り組んでいました。

1897年には、ラムルーが女婿であるカミーユ・シュヴィヤールに役職を引き継ぎ、名称も『コンセール・ラムルー協会』（l'Association des Concerts Lamoureux）に改名されました。オーケストラはその後も演奏会場を移しながら活動を継続し、1907年からはサル・ガヴォー（Salle Gaveau）を本拠としました。

第一次世界大戦中の1914年から1918年の間は、楽員不足のためコンセール・コロンヌとの合同演奏を行い、二つのオーケストラが協力し合って演奏会を続けました。このような協力体制がオーケストラの存続に貢献しました。

1940年にはサル・プレイエル（Salle Pleyel）に移転し、1960年にはイーゴリ・マルケヴィチ指揮のもとアメリカ合衆国で巡演を行いました。1991年には1000回目の演奏会を迎え、その後の1993年から2010年まで佐渡裕が首席指揮者を務め、オーケストラは経済的に復活する重要な時期を迎えました。

初演の足跡

コンセール・ラムルーは、新しい音楽をいち早く取り入れる姿勢を持ち続け、多くの名作の初演に立ち会いました。特に、シャブリエの『スペイン』やダンディの『フランスの山人の歌による交響曲』など、数々の作品を初めて聞く機会を提供しました。フォーレやドビュッシー、ラヴェルといった名作曲家のオーケストラ曲も多く初演しており、音楽界における重要な役割を果たしました。

現在の活動と影響

現在もコンセール・ラムルーは活動を続けており、さまざまな音楽イベントやコンサートを積極的に展開しています。また、宮崎駿監督のアニメーション映画音楽を久石譲が指揮するコンサートなど、映画音楽とのコラボレーションなど多岐にわたる活動も行っています。オーケストラの歴史は長く、その足跡には多くの作曲家や演奏者の名が刻まれています。コンセール・ラムルーは、フランス音楽界における重要な存在であり続けており、今後の活躍も期待されています。

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