コンチリアトーレ

コンチリアトーレ (Il Conciliatore)

概要

『コンチリアトーレ』は、1818年9月3日から1819年10月17日までオーストリア帝国下のロンバルド＝ヴェネト王国で発行されていた雑誌です。この雑誌はロマン主義文学や政治をテーマにしており、シルヴィオ・ペッリコやジョバンニ・ベルシェが創刊しました。雑誌名の「コンチリアトーレ」はイタリア語で「調停者」という意味を持ち、啓蒙的な意図が込められています。

歴史的背景

当時のロンバルド＝ヴェネト王国はオーストリア帝国によって支配されていましたが、過度な言論統制や反乱者の弾圧は行われていませんでした。地域においては、ビブリオテーカ＝イタリアーナという他の雑誌で外国文学が広められ、イタリア文学に対する興味が減少していきました。このような状況下で、シルヴィオ・ペッリコをはじめとする文筆家たちは著作を執筆し、自由に発言することができました。

しかし、フランスやイギリスでロマン主義が高まっていたこともあり、ビブリオテーカ＝イタリアーナの執筆者たちの中で古典主義とロマン主義の対立が発生しました。こうした背景が、ロマン主義者たちが次々とビブリオテーカ＝イタリアーナから脱退するきっかけとなり、最終的に『コンチリアトーレ』の創刊に繋がりました。

創刊と活動

ペッリコとベルシェは、新たなロマン主義的な視点を育むために、1818年9月3日に『コンチリアトーレ』を創刊しました。資金面ではフェデリーコ・コンファロニエリやルイージ・ポロ・ランベルテンギなどの支援を受け、他にも多くの著名な作家たちが執筆者として参加しました。印刷は愛国的な活版印刷業者、ヴィンチェンツォ・フェッラーリオが担当しました。

創刊後、雑誌は次第にロマン主義運動の中心的な存在になり、科学、文学、芸術など多岐にわたる内容が提供されました。しかし、政治的な分野での革命的な主張は少なかったものの、オーストリア帝国は、『コンチリアトーレ』の影響力に対し警戒を強め、異例の検閲を実施しました。

厳しい弾圧

コンチリアトーレの運営は、国の権力から多大な圧力を受けていました。特にペッリコは1819年10月26日に当局によら逮捕の危機に曝され、さらなる政治的な内容の発表を禁じられました。その影響を受け、1819年10月17日の号をもって、わずか一年で雑誌は廃刊に至ります。

その後、創刊に関わったペッリコやマロンチェッリは逮捕され、試練の日々が待ち受けていました。『コンチリアトーレ』はその短い歴史の中でも、ロマン主義文学と運動における重要な役割を果たし、多くの人々に影響を与えました。

まとめ

『コンチリアトーレ』は、イタリア文学における重要な一ページを担った雑誌であり、その活動や背景には多くの影響力ある人物が関与していました。短命であったものの、ロマン主義の発展に寄与し、今なおその存在は語り継がれています。

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