コンテンツツーリズム

コンテンツツーリズムとは

コンテンツツーリズムとは、小説、映画、テレビドラマ、漫画、アニメといった様々なコンテンツの舞台となった土地を訪れる観光行動の総称です。この言葉は、2005年に国土交通省、経済産業省、文化庁の3省庁が発表した報告書で初めて使われました。映画のロケ地を巡る「フィルムツーリズム」や、アニメなどのサブカルチャーコンテンツの舞台を訪れる「聖地巡礼」など、コンテンツの種類によって様々な呼び方があります。

日本におけるコンテンツツーリズムの歴史

コンテンツツーリズムの起源は明確にはなっていませんが、和歌に詠まれた歌枕の存在まで遡ることができます。中世以降も紀行文などを通して、「物語」と「旅」は深く結びついてきました。江戸時代には、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』が、伊勢参りのガイドブックとしても機能しました。

戦後になると、大衆映画の流行やテレビの普及により、映像作品のロケ地を訪れる観光が盛んになりました。20世紀以降、これは一般的な観光形態となりました。特に、大林宣彦監督の「尾道三部作」はフィルムツーリズムの先駆けとして知られています。2000年には大阪市に日本初のフィルム・コミッションが設立され、それ以降、各地でロケ地誘致が活発化しました。

2000年代半ば以降には、アニメや漫画の舞台となった場所を「聖地」と見なして巡る「聖地巡礼」がブームとなりました。これはコンテンツツーリズムの中でも、特に注目を集めています。

コンテンツツーリズムの現状

コンテンツツーリズムは、地域経済の活性化や観光客の誘致に貢献する一方で、観光客の増加によるマナー問題や、地域住民の生活環境への影響などの課題も抱えています。

コンテンツツーリズムを持続可能なものとするためには、地域住民との協力や、観光客へのマナー啓発など、様々な取り組みが必要です。また、コンテンツの魅力を最大限に活かし、観光客に満足度の高い体験を提供することが重要です。

関連情報

フィルムツーリズム: 映画やテレビドラマのロケ地を巡る観光
聖地巡礼: アニメや漫画の舞台となった場所を訪れる観光
アニメツーリズム協会: アニメを活用した観光振興に取り組む団体

外部リンク

コンテンツツーリズム学会
地域コンテンツ研究会
コンテンツ・ツーリズム研究学会


コンテンツツーリズムは、今後も観光の重要な要素として発展していくと考えられます。コンテンツの魅力を活かし、地域と観光客双方にとって有益な観光のあり方を模索していく必要があるでしょう。

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