コントレール〜罪と恋〜

コントレール〜罪と恋〜

『コントレール〜罪と恋〜』は、2016年4月15日から6月10日までNHK総合・ドラマ10枠で放送された全8話のテレビドラマです。本作は大石静のオリジナル脚本が特徴であり、主演には実力派女優の石田ゆり子が起用されています。

概要

このドラマは、火曜22時台から金曜22時台に移動した「ドラマ10」枠の最初の作品であり、前作『セカンドバージン』や『ガラスの家』などでも知られる大石静の手による「大人のための切なく激しいラブストーリー」とされています。物語は、無差別殺人事件によって夫を失った主人公・文と、事件の中で夫を誤って殺してしまった瞭司との禁じられた恋を描いています。

この物語は、2008年に秋葉原で発生した悲劇的な事件からインスピレーションを受けており、無差別殺人の影響で人生が一変した男女の運命を扱っています。これまでの作品で描かれた「禁断の恋」に続き、倫理や常識を打破し、深い感情について問いかける内容となっています。

タイトルの「コントレール」は英語で「ひこうき雲」を意味し、文にとっては一瞬の幸せを象徴し、瞭司には悲劇の象徴でもあります。物語の設定において、文が運営しているドライブインの店名ともなっており、ドラマ全体に深い意味を持たせています。

あらすじ

物語は、2008年の品川で発生した無差別殺人事件から始まります。弁護士の瞭司は、事件に巻き込まれ、自身が勇気を振り絞って犯人に立ち向かうものの、過失により友人の敦を死亡させてしまいます。その6年後、敦の妻である文は、一人息子の友樹と共に、夫との思い出が詰まったドライブイン「コントレール」を細々と肴として営んでいます。

そこに、事件に関与した刑事・佐々岡が現れ、文に対して特別な感情を抱きつつ頻繁に店を訪れる様子が描かれます。しかし、文は彼に対して心が動かず、事件のトラウマが彼女の心に影を落としています。そんなある日、犯人の死刑が執行された後、瞭司が文のドライブインに現れ、二人は運命的に出会います。

二人の関係が深まるにつれ、瞭司は失った声を取り戻し、事件の傷を癒し始めますが、敦の浮気相手であった圭子が彼らの幸せに暗い影を落とします。圭子は敦の死を巡り、瞭司を恨み、彼女の復讐が始まります。

文は、瞭司の過去を告げる決断をし、その結果として瞭司との関係は一度は終焉を迎えますが、彼女は自ら選んだ道を歩む決意をします。最終的に、二人は再会を果たし、それぞれの人生を進む中で、再び運命が交差します。

登場人物

• - 青木 文（あおき あや）: 演 - 石田ゆり子。事件によって夫を失ったシングルマザー。
• - 長部 瞭司（おさべ りょうじ）: 演 - 井浦新。弁護士だったが、事件をきっかけに失声症となりトラックドライバーとして生活。
• - 佐々岡 滋（ささおか しげる）: 演 - 原田泰造。事件担当の刑事で後に文と再婚。
• - 篠崎 圭子（しのざき けいこ）: 演 - 桜庭ななみ。敦の浮気相手で、事件に深く関与している。

この作品は、愛と許されざる運命が交錯する物語を通じて、観る人に深い感動を与えました。特に、登場人物の心の葛藤や成長が描かれ、視聴者に強い印象を残しました。

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