コンバット (テレビ番組)

コンバットシリーズ：若手芸人を育成した社会風刺コント番組

『コンバット』(COMBAT)は、2007年4月9日から2008年3月31日までフジテレビで放送されたコント番組です。若手芸人の育成と発掘を目的とし、社会風刺をテーマにしたコントを数多くの若手芸人が披露しました。番組は高い人気を獲得し、その後続編として『コンバット1.5』、『コンバットII』が制作されました。本稿では、これら3番組の概要、出演者、コント内容、放送時間、そして番組終了に至るまでの経緯を詳細に解説します。

番組概要と目的

『コンバット』は、フジテレビの次世代を担う芸人を育成し、世に送り出すことを目的としたプロジェクトでした。オーディションで選ばれた無名若手芸人たちが、半年ごとの選考会を勝ち抜くというサバイバル形式も取り入れられていました。コントの内容は社会風刺が中心でしたが、その時々の社会現象もネタに取り入れ、視聴者の共感を呼ぶと共に、社会問題への関心を高める役割も担っていました。深夜枠での放送にもかかわらず、その斬新な企画と個性的な芸人たちの活躍は、多くの視聴者から支持を集めました。

出演者

番組には多くの芸人が出演しましたが、レギュラー陣は番組を通して変化しました。初期メンバーには、あきげん、ガリバートンネル、かたつむり、ぼれろ、EE男、そして平成ノブシコブシなどが含まれていました。かたつむりは途中降板しましたが、平成ノブシコブシが加入するなど、番組の改編と共にメンバー構成は変遷を遂げました。『コンバットII』では、ジャングルポケット、上々軍団、BURNといった新たなメンバーも加わりました。また、準レギュラーとして宮瀬茉祐子アナウンサーも出演し、番組に華を添えました。さらに、2008年1月からは女優の倉科カナもレギュラーとして参加しました。

番組構成と放送時間

『コンバット』は、放送期間中、いくつかの変更がありました。開始当初は月曜日から木曜日までの帯番組として、10分間の短い尺で放送されました。その後、放送枠が変更となり、月曜日のみ、尺も拡大されました。最終的に、『コンバット1.5』、『コンバットII』と番組タイトルを変えながら、土曜日深夜枠へと移動し、メンバーチェンジや放送時間変更を経て、2008年9月をもって全てのシリーズが終了しました。

代表的なコント

『コンバット』シリーズを彩った数々のコントの中でも、特に人気を集めたものをいくつか紹介します。

松岡シュウゾウの熱血コント塾: 松岡修造のパロディコント。熱血指導するシュウゾウと、その指導に翻弄される芸人たちのやりとりが笑いを誘いました。小庭康正による熱演が光りました。
シュウパン: 『ショーパン』のパロディ。松岡シュウゾウが司会を務め、芸人たちにボケとツッコミを要求するも、グダグダになるという、定番コントでした。
ヲバ芸: ヲタ芸をオバサンがやるという斬新なコント。独特の掛け声と踊り、そしてアーティストの邪魔をするオバ様たちの姿は、強烈な印象を残しました。
Y・M・C・A: 女子高生4人のリアルな会話をもとにしたコント。一見常識的なメンバーが、他のメンバーに流されて様々なハプニングを起こします。
お父さんの趣味はコスプレ 〜パニパニパーティー〜: コスプレが趣味のお父さんと家族の物語。独特のテーマソングと、展開していく物語は大きな話題となりました。
エンタの何様: 『エンタの神様』のパロディ。プロデューサーの四味一男が、芸人たちに様々な要求をするコント。皮肉が効いており、人気コントでしたが、物議を醸したため放送が終了しました。
* バカドル会: 『クイズ!ヘキサゴンII』の人気おバカタレントをパロディ化したコント。注文を間違える店員とバカドルたちのやり取りが笑いを誘いました。

その他にも数多くのコントが制作され、それぞれの持ち味を生かした個性的な作品が視聴者の心を掴みました。

特別番組とDVD

『コンバット』シリーズでは、スペシャル番組が数回放送されました。これらスペシャル番組では、レギュラー陣に加え、佐藤江梨子、里田まい、スザンヌ、上地雄輔、小島よしお、中川翔子、木下優樹菜、エド・はるみ、AKB48といった豪華ゲストが出演しました。また、DVDの発売が予定されていましたが、諸事情により中止となりました。

スタッフ

番組を支えたスタッフ陣も重要な要素でした。チーフプロデューサーの伊藤征章氏をはじめ、プロデューサーの朝妻一氏、総合演出の小仲正重氏など、多くのスタッフが番組制作に尽力しました。

まとめ

『コンバット』シリーズは、社会風刺を織り交ぜたコントと、個性豊かな若手芸人たちの活躍、そして予測不能な展開で多くの視聴者を魅了しました。番組は残念ながら終了しましたが、出演者たちはその後も芸能界で活躍を続け、番組が培った経験は彼らの大きな糧となったことでしょう。この番組は、日本のバラエティ番組史において、特異な存在感を放つ番組として記憶されています。

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