コンパイ・セグンド

コンパイ・セグンド：キューバの音楽界の巨星

コンパイ・セグンド（Compay Segundo）は、1907年11月18日にキューバのシボネイで生まれた、著名な歌手、ギタリスト、作曲家です。本名フランシスコ・レピラードで、キューバ音楽シーンにおいて不可欠な存在となりました。

幼少期と音楽の始まり

セグンドは、キューバ東部のシボネイという山間の町で幼少期を過ごしました。彼の音楽への情熱は早くも15歳の頃に芽生え、シボネイ近郊のサンティアーゴ・デ・クーバで活発に演奏を始めました。その後、1934年にはハバナへ移り、音楽活動を本格的に展開していきました。1940年代には、友人と共に「ロス・コンパドレス」というユニットを結成し、低音の第二声（セグンド）を担当していたことから、この名前がつけられました。しかし、キャリアの中で一時期表舞台から離れ、葉巻職人として過ごす期間もありました。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの成功

セグンドの音楽家としての運命を大きく変えたのは、ライ・クーダーがプロデュースした「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」への参加でした。彼はこのグループの中心的な存在となり、1997年にリリースされたアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は世界的に評価され、翌年のグラミー賞を受賞しました。特に、このアルバムを基に製作された映画は、国際的なヒットを記録し、セグンド自身も世界的な名声を獲得します。

音楽家としてのスタイルと影響

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブでの成功以降、セグンドはその独特な低音の歌声とダンディなスタイルで多くのファンを魅了しました。彼はクラリネットやクアトロなどの楽器も演奏し、友人が作曲した『Guantanamera』を特に得意としました。また、彼の代表作である『Chan Chan』は、ラテンアメリカ音楽の重要な一部となり、何度も再録音されました。その他にも、『Saradonga』『La calabaza』『Hey caramba』など、多くの曲において彼の創造力が表れています。

晩年と逝去

晩年に入っても、セグンドは若々しいエネルギーを持ち続け、カストロ議長やローマ教皇ヨハネ・パウロ2世からも賛辞を受けました。彼は祖母と同じ115歳まで生きると予言していたものの、2003年には腎不全により95歳で他界しました。彼の死は世界中の音楽ファンにとって大きな損失となりました。

代表的なディスコグラフィー

• - 1998年 - ロ・メホール・デ・ラ・ビダ
• - 1999年 - ヨ・ベンゴ・アキ
• - 1999年 - カジェ・サルー
• - 2001年 - ラス・フローレス・デ・ラ・ビダ
• - 2002年 - デュエッツ
• - 2003年 - グラシアス!グレイテスト・ヒッツ

コンパイ・セグンドは、キューバ音楽のシンボルとして、その影響力を今なお残し続けている存在です。

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