コンビニクル

コンビニクルとは

コンビニクル（Convenient And Smart Vehicle）は、東京大学大学院設計工学研究室が2007年9月に開発したデマンドバスサービスです。同研究室では「オンデマンドバス」とも呼ばれています。このシステムは、従来のバスのように固定されたルートや時間ではなく、利用者の需要に応じて運行ルートや時間を柔軟に変更できる点が特徴です。

コンビニクルの特徴

低コストでの導入: コンビニクルの最大の特徴は、その導入コストの低さです。ASP（アプリケーションサービスプロバイダ）形式でサービスを提供しているため、バス車両や運行システムの購入費用、更新費用などの初期投資を大幅に削減できます。これにより、これまで高額な導入費用がネックとなっていたデマンドバスサービスを、比較的容易に導入することが可能となりました。

オンデマンド運行: コンビニクルは、利用者の予約に応じて運行します。これにより、利用者の少ない時間帯や場所での運行を効率化し、無駄な運行コストを削減できます。利用者は、スマートフォンやパソコンなどの端末から予約を行い、希望する時間や場所でバスを利用することができます。

実証実験: 東京大学設計工学研究室は、コンビニクルの利便性を向上させるため、千葉県柏市にある東京大学柏キャンパスで実証実験を繰り返しています。これらの実験を通して、システムの改善や利用者のニーズに合わせたサービス提供を目指しています。

コンビニクルの利点

柔軟な運行: 従来のバス路線ではカバーできないエリアや時間帯でも、利用者の需要に応じて柔軟に運行できます。
効率的な運行: 利用者の需要に応じて運行することで、無駄な運行を減らし、コストを削減できます。
手軽な利用: スマートフォンやパソコンから簡単に予約できるため、誰でも手軽に利用できます。
高齢者や免許返納者の移動手段: 自家用車の運転が困難な高齢者や免許返納者にとって、コンビニクルは重要な移動手段となり得ます。

今後の展望

コンビニクルは、地域社会における公共交通の課題を解決する可能性を秘めています。今後、より多くの地域で導入が進むことで、地域住民の生活の質向上に貢献することが期待されます。

関連情報

デマンドバス: コンビニクルはデマンドバスの一種です。デマンドバスは、地域住民の移動手段を確保し、公共交通の利便性を向上させるための重要な取り組みです。
参考文献:
高齢者　免許返納者の足「コンビニクル」で引きこもり防止へ - 週刊朝日、2015年10月1日

外部リンク:
順風路株式会社 - オンデマンドバス交通システム「コンビニクル」を提供
東京大学大学院 設計工学研究室
* オンデマンドバス～経済的で利便性の高い交通機関～ - 東京大学大学院 設計工学研究室

もう一度検索