コンビニ受診

コンビニ受診とは

コンビニ受診（コンビニじゅしん）とは、主に軽症患者が本来の救急医療を適切に利用せず、休日や夜間に救急外来を訪れる行為を指します。
この言葉は、患者が「平日は仕事で時間がない」や「待ち時間が長いから」といった個人的な理由から、緊急性のない症状でも救急外来を選択する状況を批判する文脈で使われます。

背景と現状

本来、救急外来は重症患者のために設けられているため、軽症患者の受診は医療現場に多くの負担をかけます。北海道保健福祉部が2011年に実施した調査によると、二次救急医療機関を利用した患者の76%は軽症であり、そのうち32%は特に軽症と診断されていました。

このような状況下で、医療従事者は夜間や休日に高度な診療を求められることが多く、適切な人員が不足しているため十分に対応できず、問題が深刻化しています。要求が通らない場合、患者が医療従事者に対して悪態をついたり暴力を振るうこともあり、これがさらなる問題を引き起こしています。

医療への影響

コンビニ受診が増えることで、急病や重篤な症状を抱えた患者の受け入れが困難になり、医師や看護師が急変に対応できなくなるリスクが高まります。このような疲弊は医療現場の人手不足を引き起こし、ひいては医療崩壊にもつながります。

一部の病院では、軽症と判断された患者や紹介状を持たずに受診した患者から「時間外選定療養費」を徴収する動きがあります。このような措置により、医療リソースの適正な配分を目指す取り組みが始まっています。

例えば、東京都大田区の東邦大学医療センター大森病院では、こうした患者の受け入れを拒否する方針を取っている施設も存在します。

患者側の視点

またコンビニ受診は患者自身にも経済的な負担を強いる場合があります。北海道芦別市の市立芦別病院が試算したところ、救急外来を利用した場合、保険が適用される3割負担でも、通常診療に比べて最大1500円前後の差が生じることが分かっています。このようなことからも、コンビニ受診は患者側にとってもデメリットとなることが多いのです。

意識改革の必要性

しかし、病院や地域医師会が呼びかけるにもかかわらず、コンビニ受診はなかなか減少していません。これは、患者側の意識を改革することが重要な課題であることを示唆しています。適切な医療を受けるためには、軽症患者が救急外来を安易に利用することによる負担を理解し、必要な時だけに利用するよう意識していく必要があります。

結論

コンビニ受診は、軽症患者が適切な判断をせずに行動する結果、医療現場に多大な影響を与える深刻な問題です。医療リソースの分配や患者自身の負担を考慮することで、より良い医療環境を築いていくために、患者側の意識改革が求められています。

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