コンフォート・イン・サウンド

『コンフォート・イン・サウンド』（Comfort in Sound）は、イギリスのロックバンド、フィーダーが2002年10月17日にリリースした4枚目のアルバムです。

このアルバムは、バンドにとって非常に困難な時期に制作されました。2002年1月7日、ドラマーのジョン・ヘンリー・リーがマイアミの自宅で自ら命を絶ちました。彼の死は、フロントマンのグラント・ニコラスに深い悲しみを与え、その感情がアルバム全体に色濃く反映されています。前作までとは異なり、メロウで内省的な楽曲が多くを占めるのが特徴です。

アルバムタイトル『Comfort in Sound』には、「サウンドに心地良く包まれて」という意味が込められています。悲しみや喪失感を抱えながらも、音楽を通して癒しや希望を見出そうとするバンドの姿勢が表れています。

収録曲

1. ジャスト・ザ・ウェイ・アイム・フィーリング (Just the Way I'm Feeling)
2. カム・バック・アラウンド (Come Back Around)
先行シングルとしてリリース。ジョンの生前から制作されていた楽曲です。
3. ヘリウム (Helium)
4. チャイルド・イン・ユー (Child in You)
5. コンフォート・イン・サウンド (Comfort in Sound)
タイトルチューンであり、印象的なメロディが特徴です。
6. フォーゲット・アバウト・トゥモロー (Forget About Tomorrow)
グラント自身が最も気に入っていると語る楽曲。壮大なオーケストラが取り入れられています。
7. サマーズ・ゴーン (Summers Gone)
8. ゴジラ (Godzilla)
ゴジラそのものとは直接的な関係はありませんが、激しいインストゥルメンタル色の強いロックチューンです。
9. クイック・フェイド (Quick Fade)
10. ファインド・ザ・カラー (Find the Colour)
2003年に日産自動車「エルグランド」のCMソングとして使用されました。
11. ラヴ・ポリューション (Love Pollution)
12. ムーン・シャイン (Moonshine)
13. オウペイク (Opaque)（日本盤ボーナストラック）
14. エミリー (Emily)（日本盤ボーナストラック）

『コンフォート・イン・サウンド』は、UKで50万枚を売り上げ、プラチナ・ディスクを獲得。当時、フィーダーにとって最大のヒット作となりました。このアルバムは、音楽的な成功だけでなく、バンドが困難を乗り越え、新たな表現の境地を開いた作品としても評価されています。

その他

ジャケットには、現代美術家であるタカノ綾のイラストが使用されています。
2003年には、来日記念盤としてミニアルバム『Find The Colour』がリリースされました。初期のアルバム収録曲や、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、ポリスのカバー曲などが収録されています。
フィーダーの全アルバムの中で、唯一SACD（スーパーオーディオCD）でもリリースされています。

関連事項

* 日産・エルグランド

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