コンプリート・コントロール

「コンプリート・コントロール」(Complete Control)は、ザ・クラッシュがリリースしたシングルであり、アメリカ盤『白い暴動』にも収録された、彼らの代表曲の一つです。この曲はしばしばパンク史における最も重要な曲の一つとして語られています。

この曲が生まれた背景には、前作「リモート・コントロール」がバンドの意向を無視してリリースされたことに対する怒りがありました。レコード会社やマネージャー、そして当時のパンクロックを取り巻く状況に対する、彼らの熱い反論がこの曲には込められています。また、当時のバンドを支配していたマネージャー、特にクラッシュのバーニー・ローズ、セックス・ピストルズのマルコム・マクラーレンといった人物に触れており、これはまさに曲のタイトルが意味する「完全な支配」への抵抗を示唆しています。

曲は、バンドが警察と対立したエピソードにも触れています。彼らはファンが無料でギグに入れるように楽屋のドアや窓を開けていましたが、そうしたパンクの理想は、バンドが企業的な現実に飲み込まれていくにつれて、裏切りや怒りとともに崩れ去っていきました。この曲のメッセージは、「彼らは俺たちにコンプリート・コントロールをくれなかった」という一節に集約されています。

このメッセージは、一部の批評家からは「世間知らず」と揶揄されました。特に、伝説的なDJジョン・ピールは、「CBSは慈善事業をやっているわけではない」と指摘しました。しかし、この曲は多くの支持を集めました。

「コンプリート・コントロール」は、ロンドンのサーム・イースト・スタジオで、ミッキー・フットを技師、リー・ペリーをプロデューサーとしてレコーディングされました。リー・ペリーは、クラッシュがジュニア・マーヴィンのヒット曲「ポリスとこそ泥」をカバーしたのを聴き、彼らの写真をジャマイカのブラック・アート・スタジオの壁に描かせました（これは白人アーティストに対する破格の待遇でした）。クラッシュはペリーがボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのプロデュースのためにロンドンに来ていることを知り、自分たちのプロデュースを依頼しました。ペリーは快くこれに応じました。

伝記によると、トラッキング・セッション中、ペリーはシムノンの楽器から満足のいくベースサウンドを引き出すことを諦めたと言われています。しかし、1979年の「ミュージカル・エクスプレス」誌や「ヒット・パレーダー」誌のストラマーとジョーンズの手記では、ペリーがジョーンズのギタープレイを「鉄拳で演奏されたようだ」と絶賛したと記述されています。

最終的なミックスでは、バンドは自分たちの曲を再調整し、ギターを前面に押し出し、エコーを抑えめにしました。ペリーの仕事は、バンドによって一部和らげられた形になります。

この曲は、テリー・チャイムズに代わり、トッパー・ヒードンがドラマーとして初めてレコーディングに参加した曲でもあります。ペリーはミキサーのデイヴを「クールなオペレーターの一人」と評したと伝えられています。

「コンプリート・コントロール」は全英チャートで28位となり、バンドにとって初のトップ30入りを果たしました。1999年には、CBSがライブバージョンをシングルとしてリリースしました。2004年には、ローリング・ストーン誌の「最も偉大な500曲」で361位に選ばれています。

もう一度検索