コンベア440

コンベア440（Convair 440、CV-440）は、アメリカの航空機メーカーであるコンベア社が開発したレシプロ双発旅客機です。この機体は、コンベア340をベースに、胴体を0.83メートル延長したストレッチ型として設計されました。単に胴体を伸ばしただけでなく、エンジン性能の向上や気象レーダーの搭載など、多岐にわたる改良が加えられ、より高性能な旅客機として生まれ変わりました。

コンベア440は、コンベア240シリーズの一員として、コンベア240、340とともに語られることも多く、これらの機種をターボプロップエンジンに換装したコンベア580、600、640といった派生型も存在します。コンベア440は、全部で153機が製造され、その愛称は「メトロポリタン（CV-440 Metropolitan）」として親しまれました。

また、コンベア440の発展型として、エンジンをイーランド社のターボプロップエンジンに換装したカナデアCV-540（コンベア540）があります。この機体は、カナダ空軍ではCL-66という名称で使用されました。

日本では、全日本空輸（全日空）が1959年からコンベア440の新造機を2機導入しました。この機体には与圧装置が搭載されていたため、「離着陸時に耳が痛くならない」と評判になり、快適な空の旅を提供しました。

全日空は、コンベア440を主に幹線に投入し、日本航空が運用するダグラスDC-4と競合させることを目論んでいました。しかし、1960年には日本航空がDC-8などの大型ジェット機を導入したため、コンベア440はローカル線に転用されることになりました。その後、1965年まで運用を続け、日本の空から姿を消しました。コンベア440は、短期間ではあったものの、日本の航空史において重要な役割を果たした機体と言えるでしょう。

コンベア440は、その快適性と高い信頼性から、多くの航空会社で採用され、1950年代から1960年代にかけて世界中の空を飛び回りました。レシプロ旅客機時代の終焉とともにその姿を消しましたが、航空ファンにとっては、今でも魅力的な機体として記憶されています。

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