コンボスキニオン

コンボスキニオンとは

コンボスキニオン（ギリシャ語: Κομβοσχοίνι、ロシア語: Чётки）は、正教会で広く利用されている祈りの補助具であり、数珠のような形状をしています。この用具は、イイススの祈りやイイスス经とともに使用され、主に修道院の伝統の中で用いられています。コンボスキニオンの起源は、4世紀のエジプトの修道士で聖人となった聖大パホミイにさかのぼります。

由来と伝承

聖大パホミイは、ある日祈っている最中に天使からコンボスキニオンの編み方を教えられたとされています。その指導に従い、彼は十二重の紐を編み、数珠玉を作ったのがこの数珠の始まりだと伝えられています。この伝承は、正教会の精神的な生活の深さを示しており、教会の信徒たちにとって、祈りを深めるための重要な道具となっています。

コンボスキニオンの形状と使用法

一般的にコンボスキニオンは、紐や毛糸で作られていますが、石や木の実が用いられることもあります。これは、祈りの際の音が妨げとなることを避けるための工夫です。この数珠は、イイススの祈りを唱える際に、各玉を指で手繰りながら使用します。具体的な祈りの文言は「主イイスス・ハリストス神の子よ、われ罪人を憐れみたまえ」というものであり、1回の祈りのごとに1個の玉を捻るという形で繰り返されます。

コンボスキニオンは、主に修道士によって使用され、彼らの指導のもとで祈られることが多いですが、一般信徒が用いることも絶対に禁じられているわけではありません。特に正教会の主教や修道士、司祭たちも日常的にコンボスキニオンを使用しています。このように、コンボスキニオンは修道生活や祈りの実践において重要な役割を果たしています。

玉の数と祈りの数え方

基本的なコンボスキニオンは100個の玉を有していますが、用途や目的に応じて300個、250個、50個、33個、12個など、多様な種類があります。それぞれの玉の数には意味があり、例えば33個はイイスス・ハリストスの生涯の年数に関連しています。コンボスキニオンは祈りの数を数えるための道具ではなく、むしろ規則的にリズミカルに祈りを繰り返すのを助けるためのものであり、手を使った動作が祈りに集中する助けになるとされています。

言語と語源

コンボスキニオンという名称は、ギリシャ語の「コンボスコイニ（Κομβοσχοίνι）」に由来し、「縄」を意味する言葉から派生しています。また、ロシア語では「チョトキ（Чётки）」とも呼ばれ、これは「数える」という意味の語から来ています。日本語では両方の名称が広く知られており、それぞれ異なる文化的背景を持っています。言語によっては、コンボスキニオンに基づいた呼び名とともに異なる転写が存在し、これが国際的な交流の中でも重要な役割を果たしています。

参考文献

• - 高橋保行著『ギリシャ正教』
• - カリストス主教による講演資料

このように、コンボスキニオンは正教会における重要な祈りの道具であり、その歴史や実践は信仰の深まりを助けるものとして、多くの信徒に支持されています。

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