コンラート3世 (神聖ローマ皇帝)

コンラート3世の生涯

コンラート3世（Konrad III., 1093年 - 1152年）は、ホーエンシュタウフェン朝の初代ローマ王であり、1138年から1152年までその地位にありました。彼は神聖ローマ帝国の歴史の中で、皇帝として正式に戴冠することができなかった最初のローマ王です。父はシュヴァーベン大公フリードリヒ1世、母は皇帝ハインリヒ4世の娘アグネスであり、彼はシュヴァーベン大公フリードリヒ2世の弟でもあります。

ローマ王選出前の経歴

コンラートは、1125年にザクセン公ロタールがローマ王ロタール3世に選出されると、王位を認めず、兄と共に反乱を起こしました。1127年には対立王として選出され、翌1128年にはイタリア王にも戴冠。彼はこの過程でミラノ大司教から戴冠されましたが、帰国する際には様々な政治的状況に直面し、1135年にはロタール3世と和解し王位を返上します。その後、ロタールが1137年に亡くなると、選帝侯たちはコブレンツで新たなローマ王を選出することになり、コンラートはホーエンシュタウフェン家から選ばれました。

ヴェルフ家との抗争

即位したコンラートは、傲岸公ハインリヒ10世に帝国権標を引き渡させることに成功しますが、彼に対してザクセンとバイエルンのどちらか一方の放棄を求めます。傲岸公が命令を拒むと、コンラートは彼を帝国から追放し、その領土を他の親族に分配しました。しかし、ヴェルフ家の抵抗は激しく、シュヴァーベンやザクセンの情勢は混乱を極めます。

1139年には傲岸公が死去しましたが、彼の後任であるハインリヒ12世（獅子公）や未亡人リヒェンツァがザクセンでの抵抗を続けました。1140年には再び武力衝突が発生し、最終的にはコンラートが自ら遠征を行い、ヴェルフ6世が籠城するヴァインスベルク城を攻撃します。この戦いはコンラートにとって重要な勝利となり、ヴェルフ家の影響をある程度削ぐことに成功しました。

その後、1142年にはフランクフルトでの諸侯会議で和解が成立し、コンラートは西方の勢力との調整に努めます。彼は東ローマ帝国の皇帝との同盟を結び、ルッジェーロ2世の拡張政策に対抗しました。また、彼の時代にはフランケンやシュヴァーベン地域の権力基盤が拡大するなど、ホーエンシュタウフェン家の領地が広がりました。

十字軍への参加

コンラートは1146年に教皇の十字軍勧説を受け、1147年には第2回十字軍に参加します。彼は長男ハインリヒ6世をローマ王に選出し、東方に向けて出発します。しかし、道中での兵糧不足や敵軍の襲撃により、彼の軍は大きな損失を受け、結局エルサレムに到達することとなります。ダマスカス包囲戦は失敗に終わり、1139年に帰国しました。

最後の年と後継者

ドイツに帰国後、コンラートは引き続きヴェルフ家との戦闘を続けましたが、治世の多くが混乱の中で過ぎました。彼は国内の安定を取り戻せず、教皇から戴冠を受けることもありませんでした。1152年に病に倒れた彼は、陰にひそむ力を持つ甥のフリードリヒ1世を後継者として指名し、世を去ります。生前に彼が行った多くの政策や外交活動は、フリードリヒ1世によって受け継がれることになりました。彼の治世は困難だったものの、ホーエンシュタウフェン家の権力強化に寄与し、後の歴史に影響を与えました。

子女

コンラート3世は、最初の妻ゲルトルート・フォン・コンブルクとの間に三人の娘をもうけました。また、二人目の妻ゲルトルート・フォン・ズルツバッハとの間には二人の息子が誕生しました。長男のハインリヒ6世はローマ王として短命に終わり、次男のフリードリヒ4世は後にシュヴァーベン大公として歴史に名を残すことになります。

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