コーザ・ブラーヴァ

コーザ・ブラーヴァ：ジャンルを超越するエクスペリメンタル・ロック

コーザ・ブラーヴァ（Cosa Brava）は、2008年3月にフレッド・フリスによってカリフォルニア州オークランドで結成されたエクスペリメンタル・ロックとフリー・インプロヴィゼーションのグループです。フレッド・フリスは、ヘンリー・カウ、スケルトン・クルー、キープ・ザ・ドッグといったバンドで活躍したマルチ・インストゥルメンタリストであり、作曲家でもあります。

バンドの概要

コーザ・ブラーヴァは、フリスの他に、ジーナ・パーキンス（キーボード、アコーディオン）、カーラ・キールシュテット（ヴァイオリン）、マシアス・ボッシ（ドラム）、ザ・ノーマン・コンクエスト（サウンド・マニピュレーション）という個性的なメンバーで構成されています。

All About Jazzは、彼らの音楽を「フォーク、ケルト、モダン・チェンバー、ラテン、ファンク、イースタン、プログ・ロックの間のどこか」と表現しており、その音楽性の幅広さを物語っています。

活動の軌跡

コーザ・ブラーヴァは、2008年3月20日にオークランドで初公演を行いました。その後、ヨーロッパツアーやカナダのビクトリアビル国際音楽祭への出演、ニューヨークやボストンでの公演など、精力的に活動を展開しました。

2008年12月にはサンフランシスコでファースト・アルバム『Ragged Atlas』をレコーディングし、2010年3月にリリース。All About Jazzのジョン・ケルマンは、このアルバムを「時間とジャンルを超越している」「2010年の最も目出度いデビュー作のひとつ」と絶賛しました。2012年3月にはセカンド・アルバム『The Letter』がリリースされています。

結成の背景

フレッド・フリスは、1968年にヘンリー・カウでキャリアをスタートさせ、その後、アヴァンギャルド・ジャズから現代音楽まで、幅広いジャンルで活動してきました。映画やダンスのための音楽、オーケストラや弦楽四重奏のための音楽も作曲しています。1999年からはミルズ大学で作曲科の教授を務めています。

コーザ・ブラーヴァ結成のきっかけは、フリスのロックへの郷愁でした。彼は、「ロック・バンドでできることが本当に懐かしい。協力してリハーサルを行うことで素材を発展させたり、『パーツ』から離れて集団の耳で物事を考え始めたときに起こることを懐かしく思うし、グループのアイデンティティのため一途にコミットすることを懐かしく思うんだ」と語っています。

フリスは、スケルトン・クルーやキープ・ザ・ドッグでジーナ・パーキンスと共演し、カーラ・キールシュテットとは数枚のアルバムでコラボレーションしていました。ザ・ノルマン・コンクエストは、ミルズ大学でフリスの教え子でした。

メンバー

フレッド・フリス (Fred Frith) – ギター、ベース、キーボード、ボーカル
ジーナ・パーキンス (Zeena Parkins) – キーボード、アコーディオン、フォーリー・オブジェクト、ボーカル
カーラ・キールシュテット (Carla Kihlstedt) – ヴァイオリン、ボーカル
マシアス・ボッシ (Matthias Bossi) – ドラム、ボーカル
シャザード・イズマイリー (Shahzad Ismaily) – ベース、ボーカル ※2011年から
ザ・ノルマン・コンクエスト (The Norman Conquest) – サウンド・マニピュレーション

ディスコグラフィ

Ragged Atlas (2010年、Intakt)
The Letter (2012年、Intakt)

コーザ・ブラーヴァは、フレッド・フリスの音楽的な探求心と、個性的なメンバーの才能が融合した、他に類を見ないエクスペリメンタル・ロックバンドです。彼らの音楽は、聴く者を既成概念から解き放ち、新たな音楽体験へと誘います。

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