コーション (アルバム)

マライア・キャリー『コーション』について

2018年11月16日にリリースされたマライア・キャリーの15枚目のスタジオアルバム『コーション』は、彼女にとって約4年ぶりの新作となります。このアルバムは、2014年に発表された『ミー。アイ・アム・マライア』の後に制作され、彼女がソニー傘下のエピック・レコードに移籍してから初めての作品であることも注目されます。

アルバムのプロデューサーには、スクリレックスやプー・ベア、さらにタイ・ダラー・サイン、ナインティーン85、DJマスタード、スリック・リック、ガンナといった多彩なアーティストが参加しました。これにより、マライアは新たな音楽的アプローチを試み、より現代的なサウンドを取り入れています。また、日本版のデジタルアルバムには特別トラックとして、日本人アーティストKOHHが参加した「ランウェイ feat. KOHH」が収録されています。

プロモーションの一環として、2018年に公開されたシングル「GTFO」や、10月5日にリリースされた「ウィズ・ユー」によって、アルバムの期待感は高まりました。その後、「ザ・ディスタンス feat. タイ・ダラー・サイン」や「ア・ノー・ノー」などの先行トラックも公開され、ファンの関心が集まりました。特に「ア・ノー・ノー」は2019年3月にシングルとしてもリリースされ、ミュージックビデオも公開されました。

『コーション』は、マライアのキャリアにおいて特に意味深い作品です。2002年の『チャームブレスレット』以降、彼女は一時的な低迷期を経験していますが、この新アルバムでは自身のスタイルを見直し、若手クリエイターを起用して新たな表現を追求しています。ビルボードの評価によると、このアルバムは「The 50 Best Albums of 2018」に選出され、批評家からの高評価も得ました。

アルバムのチャート成績も注目すべき点です。初週で51,000ユニットを売り上げ、Billboard 200では5位にランクインしました。また、R&Bアルバムチャートでは自身にとって8枚目の首位を達成しました。しかし、興味深いことにこのアルバムの収録曲はすべてBillboard Hot 100にランクインしなかった点は、マライアの過去のアルバムとの違いを示しています。

『コーション』を引っ提げて、彼女は2019年2月27日から始まった『CAUTION WORLD TOUR』を実施し、北米やヨーロッパでの公演を行うことも発表しました。これにより、ファンとの直接的なつながりを深め、新たなスタートを切ったことが伺えます。

このアルバムは、マライア・キャリーが自身の音楽センスを改めて表現し、時代の流れに対応した作品であると言えるでしょう。

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