コーセイ

競走馬コーセイ：抽選馬の星

コーセイは、日本の競走馬、そして繁殖牝馬として名を馳せました。その経歴は、まさに「抽選馬の星」と呼ぶにふさわしい、ドラマチックなものでした。430万円という価格で抽選によって馬主に割り当てられた競走馬でありながら、数々の重賞レースを制覇し、クラシック競走でも上位入賞を果たしたのです。

1986年10月4日、東京競馬場でのデビュー戦を圧勝で飾り、華々しいスタートを切りました。続く抽選馬特別競走でも圧倒的な強さを見せつけ勝利、年末のテレビ東京賞3歳牝馬ステークスも制しました。この活躍により、1986年度の優駿賞最優秀3歳牝馬に選出される栄誉に輝きます。

翌年、4歳となったコーセイは、クイーンカップで2着に入るなど、その実力を示しました。そして、報知杯4歳牝馬特別を制し、重賞競走2勝目を挙げます。桜花賞では2番人気に支持され、2着と健闘しました。優駿牝馬でも4着と好走しましたが、その後、骨折というアクシデントに見舞われ、約1年間の休養を余儀なくされました。

1988年4月に復帰すると、谷川岳ステークスで2着、七夕賞で重賞3勝目を挙げ、復活を印象付けました。その後、いくつかのレースで思うような結果が出ませんでしたが、1989年の中山記念で9番人気ながら勝利し、重賞4勝目を達成しました。このレースが、コーセイの最後の勝利となりました。最後の出走となった安田記念では8着に終わり、競走馬としての生涯に幕を閉じました。

競走馬生活を終えたコーセイは、タイヘイ牧場で繁殖牝馬としての第二の人生を歩み始めました。2003年に繁殖を引退した後も、引退名馬けい養展示事業の助成を受け、北海道浦河町の渡辺牧場で余生を穏やかに過ごしました。そこでは、同じく渡辺牧場にいた名馬ナイスネイチャの母ウラカワミユキと深い友情を育み、年上のウラカワミユキに寄り添う姿が見られたそうです。2014年6月15日、静かに生涯を終えました。

コーセイの産駒は目立った活躍はしませんでしたが、8番仔のトゥギャザーアゲンは、日本だけでなく韓国でも競走生活を送るなど、母譲りの逞しさを見せました。

コーセイの血統背景には、活躍馬も含まれています。近親には、阪神3歳ステークスなどを制したロングハヤブサや、報知杯4歳牝馬特別、サンスポ賞4歳牝馬特別を制したマックスキャンドゥがいます。これらの近親馬の活躍も、コーセイの才能をより一層輝かせたと言えるでしょう。

430万円という抽選馬から、重賞4勝という偉業を成し遂げたコーセイ。その輝かしい競走生活と、穏やかな余生は、競馬ファンにとって永遠に語り継がれる物語です。その名を冠した「抽選馬の星」という呼び名は、まさに彼女の実績と人気を象徴する言葉と言えるでしょう。

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