コータウン伯爵

コータウン伯爵家：アイルランド貴族の系譜と歴史

コータウン伯爵位は、アイルランド貴族の世襲爵位です。1762年、ジェームズ・ストップフォードの叙爵によって創設されました。その歴史は、イングランド内戦期以前、チェシャー州にルーツを持つストップフォード家へと遡ります。

ストップフォード家の起源とアイルランドへの移住

ストップフォード家は、ノルマン・コンクエスト以前から続く古家であり、代々チェシャー州マクルズフィールド近郊のソルターズフォードを拠点としていました。その家系は、ニコラス・ストックポートという人物にまでさかのぼると伝えられています。

イングランド内戦期、ストップフォード家のジェームズ・ストップフォードがアイルランドへ渡り、当地で広大な領地を獲得しました。彼の子孫たちはアイルランドに定着し、その血脈が現在のコータウン伯爵家へと繋がっています。

コータウン伯爵位と政治への関与

1700年から1770年にかけて生きたジェームズ・ストップフォードは、フェトアード選挙区選出の庶民院議員を務めた後、1758年にウェックスフォード県のコータウン男爵に叙爵されました。そして1762年、コータウン伯爵とストップフォード子爵の称号を得て、コータウン伯爵家の歴史が本格的に始まりました。

2代目のジェームズ・ストップフォードはトーリー党の政治家で、ピット内閣において王室会計長官を務めました。1796年には、グレートブリテン貴族としてのソルターズフォード男爵にも叙爵され、ストップフォード家は貴族院議席を確保しました。

3代目のジェームズ・ストップフォードも王室会計長官を3度務めるなど、政治面で活躍しました。6代目のジェームズ・ストップフォードは、1901年から20年以上にわたりウェックスフォード県統監を務めました。

以降も、コータウン伯爵位はストップフォード家の嫡男によって世襲されてきました。そして現在、9代目のジェームズ・パトリック・モンタギュー・バーゴイン・ウィンスロップ・ストップフォードが伯爵位を継承しています。

現当主と貴族院

現当主の第9代コータウン伯爵は、保守党の政治家として活動しています。1999年の貴族院法制定後も、世襲貴族として貴族院に籍を置いており、第1次メイ内閣からは貴族院における与党院内副幹事及び国王親衛隊隊長を務めています。彼の主要な爵位は以下の通りです。

第9代コータウン伯爵 (アイルランド貴族爵位、1762年)
第9代ストップフォード子爵 (アイルランド貴族爵位、1762年)
第9代ウェックスフォード県のコータウン男爵 (アイルランド貴族爵位、1758年)
第8代チェスター王権伯領におけるソルターズフォードのソルターズフォード男爵 (グレートブリテン貴族爵位、1796年)

コータウン伯爵家の歴史は、ストップフォード家のアイルランドへの移住、政治への積極的な関与、そして代々受け継がれる爵位によって彩られてきました。現当主の活動は、この伝統を現代に繋ぐものと言えるでしょう。

コータウン伯爵家の歴代当主

初代コータウン伯爵 ジェームズ・ストップフォード (1700–1770)
第2代コータウン伯爵 ジェームズ・ストップフォード (1731–1810)
第3代コータウン伯爵 ジェームズ・ジョージ・ストップフォード (1765–1835)
第4代コータウン伯爵 ジェームズ・トーマス・ストップフォード (1794–1858)
第5代コータウン伯爵 ジェームズ・ジョージ・ヘンリー・ストップフォード (1823–1914)
第6代コータウン伯爵 ジェームズ・ウォルター・ミルズ・ストップフォード (1853–1933)
第7代コータウン伯爵 ジェームズ・リチャード・ネヴィル・ストップフォード (1877–1957)
第8代コータウン伯爵 ジェームズ・モンタギュー・バーゴイン・ストップフォード (1908–1975)
* 第9代コータウン伯爵 ジェームズ・パトリック・モンタギュー・バーゴイン・ウィンスロップ・ストップフォード (1954–)

現当主の法定推定相続人は、息子のストップフォード子爵（儀礼称号）ジェームズ・リチャード・イアン・モンタギュー・ストップフォードです。

コータウンハウス

かつてのコータウン伯爵家の邸宅は、ウェックスフォード県ゴーリー近郊のコータウンハウスでした。

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